なだぎ武ら4人からなるユニット「あかりけした」の初演がスタート!

2018/06/06 14:08 配信

芸能一般

ユニット名には開幕直前の客席の灯りが消えていくときの胸の高鳴りが込められている(左からなだぎ、渡邊、小野川、成島)

俳優として活躍中の芸人・なだぎ武、演劇集団キャラメルボックスの渡邊安理、虚構の劇団の小野川晶、劇団こゆび侍の脚本家・成島秀和の4人がユニット「あかりけした」を立ち上げた。畑の違う4人が知り合ったのは昨年夏のリアル脱出ゲームがきっかけだったという。今回の作品について4人に意気込みや思いを語ってもらった。

成島「演者が3人いて作・演出家もいるんなら何かやれるねっていう絵空事になりそうなやりとりから、本当にそれを実現させてしまいました。約一年かけてここまでたどり着きました。縁だな、と思っています。なだぎさんと渡邊さん、なだぎさんと小野川さんは舞台での共演がありましたが、成島作品への出演は3人ともに、初めてです。真面目なお芝居で知り合った3人が秘めていた『コメディーとか馬鹿馬鹿しいのをやりたかった』っていう欲求のもとに、集まっています」

そんな4人と共演するのは、個性派女優の伊藤修子、ラジオのパーソナリティーでも活躍中の芸人・ランパンプス、神保町花月の公演に数多く出演している天龍の兵藤天貴。

成島「出演者が全員魅力的です。役として舞台を生きている力・説得力がすごい女優陣と、繊細に役をつくりつつも瞬発力でどんな瞬間も笑いに変えてしまう芸人さん。お互いに影響され合って、稽古を重ねています。ここまでしっかりと四つに組んだ、芸人×演劇界だからこその作品って、なかなかないんじゃないかなぁ」

小野川「芸人さんと役者って人前で何かをして楽しんでもらうということは同じなのに、お芝居へのアプローチの仕方がやっぱり違っていて。芸人さんの瞬発力のすごさを稽古場で感じ、これが本番入ったらお客さんの反応でもっと爆発して面白いんだろうなと楽しみです。役者は安定感があって己の芯をしっかり持って。この2つが合わさった時に、さっきまでおかしくてゲラゲラ笑っていたのに、やばい今切なくなってる!ということがたくさんあります。なだぎさんの器の大きさと破壊力のある面白さ、安理さんの女性らしい弱さとチャーミングな笑顔、修子さんの人間離れした存在感と誰もが愛おしくなる感じ、ランパンプス・小林良行さんの細かなニュアンスとモテ男の感じ、ランパンプス・寺内ゆうきさんの真っ直ぐな心とはしゃぎっぷり、兵藤さんのチャレンジ精神と守りたくなるようなふわっと感。それぞれの普段見たことないような顔がこの舞台で見られると思います。人とつながる時に、相手のことを考えて行動して歩み寄っていく。血がつながってるからなんでもいいのかってそうじゃない。ぶつからなきゃ始まらないこともあって、でもぶつかることって相手のことを好きじゃないとできなくて。みんな不器用にだけどつながりたくて必死に生きてる姿が人間らしくていいなと思うような作品です!」

渡邊「稽古初日の最初の読み合わせで、私が思ったのは『素敵な人たちだなぁ。このメンツじゃ稽古も絶対楽しいから、本番まであっという間に感じちゃうだろうし、本番終わったら会えなくなった時、すっごくさみしくなるだろうなぁ。』でした。というのも、本読みの時点で、みんなが自分の個性を出していて、とっても魅力的だったのです。芸人、役者という職業は、表現の仕方は違えどお客さんの前で、120パーセント出し切るという姿勢は変わらないんだなぁと思いました。そうやってお互いにお客さんに向かって表現をしているので、好感も信頼も尊敬も、芸人と役者という垣根を超えて、もんのすごいあります。皆さんに出会えてほんとにほんとに良かったなぁと思っています」

なだぎ「突如海から現れた謎の巨大生物。その生物は日本の地に上陸し、街を破壊しながら闇雲に進んでゆく。その謎の巨大生物に、その時、国はどう立ち向かうのか、人間の知恵と命を懸けた人間vs謎の巨大生物の戦いを、是非楽しん…………あ、すみません、これは『シン・ゴジラ』の話でした…今回の話は、一つじゃなかった血のつながらない家族が、“一つ?”になるまでのお話。でも、手をつなぐ人の距離感って、仲良くなっても意外に難しいよな…って話かな(笑)。 その距離感を、面白おかしく楽しんでもらえたら光栄です!」

 4人のコメントだけでそれぞれ強烈な個性を放っているのが伝わる中、今作でロボット役の伊藤にも注目が集まる。

なだぎ「伊藤修子のアドリブが、基本的にぶなしめじの事ばっかりだったので、この舞台終わりで“ぶなしめじの詰め合わせ30㌔”を、送ってあげたいと思います」

小野川「伊藤修子さんのTシャツが毎日面白くて。キョンシーのお札、ベルばら、少林36房、不思議なのを着ています。それを見ながら映画の話や裏話を聞いて笑っています」

渡邊「伊藤修子さんが、さらりと映画ネタをセリフの中に入れていて、そういう時はなだぎさんがツッコむんですけど、映画に詳しいなだぎさんだからこそのツッコミで、それがマニアックすぎて、修子さんとなだぎさんしか笑っていない時があり、見ていてとてもおかしいです。お二人で楽しそうにやりとりしていて、ロボットとそれを作った人という関係性が色濃く出ているなぁと思っています」と稽古場をさらに盛り上げているようすがうかがえる。

 今回会場となる神保町花月はことしで11周年目に突入。自身の劇団公演でも関わりの多いのが成島だ。

成島「だいたい10年くらい前から神保町花月に関わらせていただいているのですが、脚本も演出もどちらもっていうのは初めてなのです。なので、とてもかなり気合いが入っています。お忙しすぎる皆さんに無理を言って、神保町花月の通常稽古の4倍くらい稽古していると思います。いろんなものを注ぎ込んで作っている作品なので、ぜひ見届けてほしいなぁと思います! 笑えるし、ぐさっとくるし、グッとくるし。普通に、とっても、面白いです」と今回は脚本からガッツリ取り組んでいることに気合も一段と増す。

 4人の名前の一部分をとってユニット名になった「あかりけした」。初公演「手をつなぐには近すぎる」は6月7日(木)から開幕する。