テレビ東京ほかで放送中の特撮ドラマ「大魔神カノン」のすでに放送された全話をスクリーン上映するオールナイトイベント「カノンの夕べ」が5月28日、都内のTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催。上映に先立ち、キャストの里久鳴祐果、長澤奈央と、坂本太郎監督、鈴村展弘監督、プロデューサーの高寺重徳氏が登場して作品について語った。
同作は'66年製作の特撮時代劇映画「大魔神」を、特撮やCGを用いて現代版にアレンジしたもの。ヒロインの少女・カノン(里久鳴)の成長を軸に、人に恩を掛けられた物が実体化した妖怪“オンバケ”や岩壁に眠る伝説の“ブジンサマ”をめぐる心温まるファンタジードラマが繰り広げられる。
トークでは、ツヤツヤ肌でセクシーな金魚のオンバケ・イケチヨを演じる長澤が「イケチヨは露出の多いキャラクターで、坂本監督に『もっと胸を強調しろ! 尻を突き出せ!』と言われた」と暴露したのをきっかけに、次々と裏話が飛び出した。
鈴村監督は「高寺プロデューサーはとてもこだわりがある方で仕事熱心だが、周りのことを考えてないところもある。里久鳴さんなんてすごく泣かされたよね?」と話し、里久鳴は「泣かされましたね。最初、カノンがどんな人物なのかつかめていない時に高寺プロデューサーに聞いたこともありましたが、『カノンはあなたが作り上げるものだから』と答えていただけなかった」と厳しい現場だったことをうかがわせた。
そんな本作の世界観について聞かれると、坂本監督は「ドラマというものは正義と悪の落差が激しい方が面白いところもあるが、『大魔神カノン』はそうではなく、正義と悪が距離を縮めていく物語。オンバケもカノンも互いに信じ合って一生懸命助けようとする心が伝わってくる話にしたいと思っていました」と思い入れをコメント。
鈴村監督も「カノンの心情を細かいところも拾って積み上げていっているので、その分ドラマの進行は遅く『まだかよ!?』と視聴者の皆さんは思っているかも(笑)。ですが、その丁寧さに僕らは手を掛けているので、ぜひじっくりカノンの気持ちを追ってみてほしい」と制作者ならではの視点で見どころを語った。
また、長澤の胸に小さなオンバケ・ブチンコが入り込み胸がへこむシーンがあり、CGで胸のへこみが表現できないため銀色の玉を詰め込んでいるが、「その玉を詰め込む作業を高寺さんがやりたいと言っていた」と鈴村監督が口を滑らせると、高寺氏も「鈴村さんは里久鳴さんと2人きりで夜遅くまで打ち合わせしてたのが怪しい。何の打ち合わせだ!」と鈴村監督に仕返しするなど、オールナイト上映ならではの2人のテンションに会場は終始爆笑していた。
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