――ポルトガルとしては、やはりロナウド頼みになるのでしょうか。
Y レアルにおける爆発力を、周囲の選手たちが違う中で、どのような形で出させるか。ロナウドがゴールするための、ベストのシステムとメンバーを考えないとダメですね。
H 前線は2トップでしょうか。
Y 2トップ気味というか、レアルで言うカリム・ベンゼマの役割を誰が務めるかですね。中盤でジョアン・モウティーニョ(モナコ)がうまくボールをさばきながら、ロナウドには両サイドへ好きに逃げてもらって、でも最後にはゴール前に入ってきてワンタッチで決めて、という形でフリーマンにする。となると、前線で横に並ぶのはアンドレ・シルバ(ACミラン)になるのかな。
H 中盤の左サイドに、ゴンサロ・ゲデス(バレンシア)を置くのはどうでしょうか。彼の前への推進力はなかなかだと思うんですけど。
Y 最高なんですけど、彼はボールを運んでから切り返して、右足で自分がシュートを打つ形を得意としているんですよ。そのまま左足でクロスを入れさせても不正確だから、ロナウドが怒りまくってしまう。
H 左足の振り方を見ると、確かにちょっと雑ですよね。
Y ベルナルド・シウバが、所属するマンチェスター・シティと同じ右サイドで輝き始めれば。利き足の左足から放たれるクロスの質は、ドイツ代表のメスト・エジル(アーセナル)に通じるものがある。ロナウドとエジルの相性は抜群だったので、大会を通じて新たなホットラインができれば。
H スペインとの決定的な違いは、ホットラインの数ですからね。
Y センターバックを組むベテランの2人、ペペ(ベシクタシュ)とジョゼ・フォンテ(大連一方)も、年齢的にちょっと不安がある。
H M-1グランプリに挑んで10年目みたいな、まさにラストチャンスという思いでロナウドも臨むでしょうけど、ペペは確かに何かやらかしそうですね。
Y めちゃくちゃいい選手ですけど、残念ながらダーティーなイメージが強過ぎるんですよね。あとはゴールキーパーにスーパーな選手がいないのもちょっと気になるところ。
H なんといってもスペイン代表のダビド・デ・ヘアはマンUの絶対的な守護神ですから。これも大きな差を象徴していますよね。キーパーがしっかりしていれば、負ける確率はおのずと低くなるので。
Y 大会を勝ち抜く上で非常に大事なポジションに、不安を抱えている。スペインは初戦を引き分けても問題はないけど、ポルトガルは初戦で勝ち点を落とすと、モロッコ代表との2戦目では下手をすると…。
H 2002年大会のフランス代表じゃないけど、ちょっとでも歯車が狂えば、なくはないかも。
Y ポルトガルとしてはユーロのように、ぎりぎりで突破した方が、というのがあるかもしれないけど。
H 対戦相手はロナウドとユニホーム交換ができると喜んでいるかもしれませんが、注目される一戦で名を上げてやろうという気持ちも抱きながら臨んでくるはずですからね。
安永聡太郎(やすなが・そうたろう)=1976年4月20日生まれ、山口県出身。1995年、横浜マリノスに入団。U20日本代表、アトランタ五輪予選日本代表。清水エスパルス、柏レイソルなどに所属。2016年からSC相模原の監督を務めた。
ヒデ/ペナルティ=1971年4月7日生まれ、千葉県出身。お笑い芸人。市立船橋高等学校でサッカー部に所属し全国高校サッカー選手権準優勝とインターハイ優勝を経験。「リーガダイジェスト!」(WOWOW)のMCとしても活躍。
インタビュー=藤江直人
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