大東駿介、浦沢直樹のドキュメンタリー番組でナレーション初挑戦 「目の輝きにグッときた」

2018/06/22 06:00 配信

芸能一般 インタビュー

学生時代に「鉄腕アトム」を読んで衝撃を受けました


大林駿介は舞台「プルートゥ PLUTO」では、高性能刑事ロボット・ゲジヒトを演じる


――手塚先生の作品で好きなものは?

やっぱり「PLUTO」の原作・原案になった「鉄腕アトム」ですね。かわいいヒーローの姿の下に、実は人間の哀しさ、醜さ、はかなさみたいなものを描いている作品なんです。アトムは決してヒーローじゃなくて、彼自身も痛みを抱えているっていうのは学生時代に読んで衝撃を受けましたね。

手塚治虫は、アトムがお茶の間のヒーローになることにスッキリしていなかった。伝えたかったのはそれじゃない。人間の業や汚さを描いている。だから手塚先生は「失敗作だった」っておっしゃていて、それをくんだ上で「PLUTO」の登場人物に同じせりふを言わせる浦沢さんがスゴいなと。

――大東さんにとって「鉄腕アトム」と「PLUTO」は大きな作品なのですね。

そうですね。「PLUTO」は、扱っているテーマも「鉄腕アトム」の深層部に迫ってる。アトムが描いていた痛みの部分を強調して描いているというか。人間の繊細な部分にチャレンジした作品だと思います。

だから、浦沢さんが極端に描く作品を小学生が読んで理解したら「どないなんねやろ?」って考えますね。今は「バラエティーはバラエティー」「子ども向けは子ども向け」「この作品のこのせりふはこう受け取るべき」と直結で結びつける作品が多くなったと思います。だからこそ「違和感」って大事やなって。僕は手塚作品から違和感を覚えいて、10年後大人になってその種明かしをしました。浦沢漫画にもそれに通ずるものがあるし、自分が芝居する中で考えることでもあります。

――舞台「プルートゥ PLUTO」も放送されますが、舞台をテレビで見るからこその見どころは?

やっぱり舞台は生で観るものですよ(笑)。ただ、WOWOWさんってすごくこだわりを持ってらっしゃっていて、舞台を映像作品の1つとして昇華しています。特に「PLUTO」は相性がすごく良いんじゃないかなと。漫画と演劇が混在している中で、第三の視点の映像が加わりますし、正直この舞台は「映像でも観てみたいな」とすごく思います。

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