『半分、青い。』が“人生・怒涛編”に突入!斎藤工「僕が映像業界を一番神々しく見上げていた時代」

2018/07/04 12:00 配信

ドラマ インタビュー

7月5日(木)放送から「半分、青い。」(NHK総合ほか)に斎藤工が登場!(C)NHK

業界に対して思っていた悲哀が出た


――出演が決まった時の感想を教えてください。

「運命に、似た恋」(2016年、NHK総合)というドラマで北川(悦吏子)さんの作品に初めて参加させていただいている頃に、実は“朝ドラ”を書くということをご本人から伺っていて、「縁があったら出ていただきたい」と、僕と原田知世さんと北川さんと3人でお話しているときにおっしゃっていただきました。

とはいえ、“朝ドラ”というブランドと歴史の中で、そういった自分のニーズが果たしてあるのかと思っていまして、僕は朝向きの顔もしていないと思いますし(笑)、半分、社交辞令と思っていたんですけど、本当に出させていただけて感謝しています。

――役について北川さんから何か言われたことは?

丁度、「運命に、似た恋」の撮影前後に、「blank13」という長編映画の撮影をしていて、出来上がったものをかなり早い段階で北川さんに見ていただいたんですけど、それが北川さんの中で何かを捉えていただけるきっかけになったのかなと思います。

その後、1枚の写真が北川さんから送られてきたんですけど、それが映画祭か何かに自分の作品を持って行った時の、監督としての僕の表情の写真で、「このイメージいいね」とおっしゃってくださって、僕のエモーショナルというか、表層的じゃないところを軸に役を膨らましてくださったような気がとてもしました。

(元住吉祥平という役は)今の自分に北川さんからいただいた、何かメッセージがこもったような役柄だと思いました。

――ご自身も映画監督をされているということで、演じる上でやりやすさは感じましたか?

そうですね、1990年代の話で、僕が映像業界を一番神々しく見上げていた時代なので、そんなにはるか昔とは思っていないんですけど、業界的には機材とテクニカルなところで躍進的に変化していったさなかの世代なので、使わせていただく機材だったりそういうものに、当時の思いみたいなものが感じられます。

僕が出させていただく「人生・怒涛編」は、その業界の時代感、世代感にこだわっていますし、自分の父も映像業界にいたので、昔、見学に行ったスタジオのような雰囲気が漂う、におうような空間になっていると思います。

――元住吉祥平というキャラクターは斎藤さん自身と似ている部分はありますか?

相通ずる部分も当然ありますし、台本をなぞって演じるというよりは、自分の中から生まれる感情と北川さんが書いてくださる世界と、スタッフさんやキャストさんと生のものを作りたいなと思っていつもお芝居させていただいているので、僕と似ている部分というよりは、自分が監督業でなく業界に対して思っていた悲哀がテスト、本番と回を重ねる中で、出てしまっていたなと思います。

そういった瞬間って、結構記憶の中にとどまっていなかったりするんですよね。なんか振り返るとそういえばあの瞬間、映像で切り取られていたなということが個人的には多かったので、それはもしかしたら北川さんの千里眼というか、内側に突き付けてくださる責任みたいなものを勝手に感じたのかもしれないのですが、独特のウィットにとんだ世界観の中だからこそ、雨期のじめじめした迫りくるリアリティみたいなものがありました。