沢尻エリカの主演映画「猫は抱くもの」が6月23日に公開され、沢尻、吉沢亮、峯田和伸、コムアイ(水曜日のカンパネラ)、犬童一心監督が初日舞台あいさつに登壇した。
沢尻の「本日はお越しいただき、ありがとうございます。初日を迎えることができて、うれしく思っております!」という第一声に続いて、峯田が「今日登壇していているキャストの半分が普段は音楽をやっているという、本業じゃないというのが珍しいですよね。楽器がなくて、マイクがないと僕はしゃべれないですよ」とあいさつ。沢尻からすかさず「さっきカメラがないところだと、いっぱいしゃべってたじゃん!」とツッコミが入った。
本作が出品された上海国際映画祭について聞かれると、沢尻は「中国の人の熱量がすごくて、会場もとても近い距離で驚きました!」と感想を。監督は「上映した劇場は1200人も入るのですが、全席ソールドアウトで、上映後もすごい熱狂だったので、この映画イケるんじゃないかと思いました(笑)」と手応えを感じたことを聞かせた。
司会者から「9000人の“沢尻会”というファンクラブがあると聞きましたが、行かれた時も大勢のファンの方々が迎えてくれたのですか?」と聞かれると、沢尻は「なかなかファンの皆さんと接する機会がないので、快く迎えていただいて、うれしかったです」と答え、監督は「みんな沢尻さんを撮っていると分かっていたので、僕はできるだけ離れて歩くようにしました」と言って、場内を笑わせた。
続いて「主人公の沙織は夢を諦めきれないアラサー女性ですが、共感できる部分はありましたか?」との質問に、沢尻は「30代女性は仕事であったり、プライベートでも考えることが多い時期だと思うんですけど、私も共感できる部分が多かったので、自然体で演じることができました」と答えた。
そんな沙織を見守る猫役・良男を演じた吉沢は、沢尻について「飼い主とペットというのは、普通の恋人よりも距離感が近い上に、猫なので僕から近づいていくことが多いので、嫌がられたらどうしようと思いましたが、完全に僕を見ている目がペットを見ている目だったので、甘えっぱなしでした」と撮影を振り返った。
また、売れない画家・ゴッホを演じた峯田は「予告にもある坂を転がっていくシーンは、自分たちは坂の手前で止まってスタントの方が演じる予定だったんですけど、本番は勢いあまって沢尻さんと転がっていってしまいました(笑)」と撮影秘話を披露。監督も「本当に転がっていってくれたので、そのシーンを使いました。僕的には良かったです」と語った。
さらに、猫のキイロ役のコムアイは本作の特徴でもある「ねこすて橋の撮影」について聞かれ、「猫役の方全員の演技をうまく合わせるのに苦労しましたが、すごく面白かったです」とコメント。
吉沢が「コムアイさんは、素が猫っぽいので居心地が良くて、楽しかったです」と言うと、コムアイは「私は同じことが2回できないので、吉沢さんに毎回フォローしていただけて、助かりました」と照れながら語った。
そして、翌日6月24日は犬童監督の58歳の誕生日ということで“猫の良男型ケーキ”が登場! キャストと会場に集まった観客全員からバースデーソングで祝福された監督は「ありがとうございます! これを思い出に、余生を過ごせたらと思います」とお礼を言って、会場を沸かせた。
最後に監督から沢尻に、2週間ほど使って20枚あったものを1枚にまとめてきたという、心の込もった手紙が披露された。「女性が生きにくい時代、自分のあり方で立つその立ち姿に多くの女性たちが励まされることでしょう。いつまでもそうであってください」と読み上げられた。
それを聞いた沢尻は、目に涙を浮かべながら「本当にありがとうございます。うれしいです! この映画は、スタッフもキャストもみんなで良いものを作ろうという思いで、現場で手作りで作り上げていった作品で、とても良い時間を過ごすことができました。役者人生の中で大切な作品になりました」と作品への思いを語った。
峯田は「本当にこんな幸福な現場なんてないですよ。沢尻さんの作品を作る姿勢に感動しました。本当に出ることができて、良かったと思います」と言い、Wサプライズが行われたイベントは大盛況のまま幕を閉じた。
青木孝司
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