前田は「(全国には)人口が減ったり、高齢化などで立ちいかなくなってしまったお祭りがある。祭りだけでなく、和紙作りとか、古来から続いてきたものがなくなったり。この国のために、地方のためにできることはないかなって、みんなで話をしました。そして、音楽もあり、映像もあり、世界中に発信ができる、映画じゃないかって。ぜひ、作りたいと皆さんにお願いして、協力いただいて完成しました」と企画した経緯を説明した。
また、大東は、台本を持たない“ノンフィクション”の高校生二人との撮影について、「(大東演じる夏生が)道筋に誘導する役割ではあったんですけど、台本をいただいてもその通りにいくわけもないんです」と撮影を振り返る。
「僕は中立であるべきだと思っていて、監督の意図をそのままやるのも違うし、何も考えないのも違う。自分は自分の思いを持って那須烏山と向き合って、その時、その場所で生まれた言葉で導いていければと思っていました。そうじゃないと彼女たちと会話ができないんですよね。(せりふではなく)本気で本当の言葉で語ってくるので。なので、町のことをいっぱい勉強したし、監督ともぶつかりました。普通の映画の撮影とはまるっきり違う、すごく楽しい時間でした」と、悩みながらも充実した撮影だった様子。
杉本監督は「脚本に合うロケ地を探すのではなく、ロケ地となる場所に赴いて、その町が持っている問題や現状を踏まえた上で(映画を)作っていこうと取り組ませてもらいました。最後のピースが、その町の人たちにご出演いただくこと。町の人たちが主役となり、何かをする“ドキュメンタル”な部分を画に収めたい。あの町、あの時しか撮れなかった映画ができたと思っています」と胸を張った。
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