8月7日(火)に放送される「LIFE!~人生に捧げるコント~」(夜10:00-10:45、NHK総合)。さまざまな名物キャラクターたちを輩出し、俳優×芸人の作る新しい笑いを提供している同番組は、主に内村宏幸、平松政俊、倉持裕、あないかずひさの4人がコントの脚本を担当している。
今回は、「まっすぐ彦助」シリーズなどの脚本を担当した内村宏幸にインタビューを敢行。「LIFE!」の魅力や、番組で今後やってみたいことなどを語ってもらった。
――「LIFE!」は放送開始から6年目を迎えましたが、長く続いている理由なんだと思いますか?
あんまり無理しないでやっているからじゃないですかね?(笑)
毎週放送していたときは、制作も限界に近くて、作り続けていくことが大変で、本当にヘトヘトだったんですよ。出演者も制作者もだんだん年を取ってきますし、今は「無理をしない」ということを大切にするようになったのかなと思います。
ありがたいことに番組が話題になったことは何度かありました。でも、地道に低空飛行で「あ、まだやってるのね」っていう感じで放送してきたことが、長く続けてこられた理由じゃないですかね。
――脚本家の皆さんと、総合演出の西川毅さんが集まってコントの内容を決めているそうですが、その会議ではどのようなことを話し合っているんですか?
作家が、各自2~3個の短い設定案を持ち寄って、それをみんなで読んで吟味していくんです。3つのうち1個でも採用されればまだいい方で、コントにするには足りない部分があるというものが多いですね。
そこから、「面白くなりそう…いや、面白くならない」みたいなことを話し合って、簡単な台本を作ります。その作業を何週間か続けて、そういう「面白くなりそう」な台本をどんどん積み重ねていきます。
収録が近づいたときに、みんなで今まで貯めてきたものを振り返って整理して、ちゃんとした台本にしています。
どのコントを撮影するかということは西川くんが決めるんですけど、台本にするのは設定案を出した本人です。
――その会議の中でボツになってしまったアイデアを少しだけ教えていただけないでしょうか?
自分は気に入っているのに、会議で何のリアクションもないものは無数にあるんですよ(笑)。
最近で言うと…大したものではないですよ(笑)。交通標識の絵を描いている人が、自分のことをピカソみたいな天才画家だと思っている」っていう設定とか。
天才画家っぽい見た目で、ピカソらしい海辺のアトリエを借りているんですけど、書くのが交通標識なんです。その人にしか描けない交通標識だから、国土交通省の人とかが「描いてください!」と頼みに来るんですけど、女遊びや酒を飲んだりしていて、なかなか描いてくれないんですよ。でも、苦労して出来上がったものは普通の交通標識っていう…ちょっと面白そうじゃないですか?
でもこれを台本にして、セットを組んでやってみるとそうでもなかったりするんですよ。その判断は間違ってないです(笑)。
あとは、最近“インスタ映え”すると言われるカラフルなスポットってよくあるけど、行ってみると本当に周りには何もなかったりするなっていうことから考えた設定案を出しました。
“インスタ映え”するけど周りにはなーんにもない場所でお金もうけをしている夫婦の、全然ハッピーにならない話です(笑)。
毎週こんな感じでボツが生まれるんですよ。もう6年も放送しているからか、ちょっとコントのパターンをやりつくしてしまったところがあるんですよね。「これはあのコントに似ちゃう」っていう設定のすき間で、新しいコントを生み出すのが難しいんです。
僕が書いた「まっすぐ彦助」では、壁を突き破ったりしてたので、ちょっとでも何かを突き破る設定があると、被ってる印象になっちゃうんですよね。それがどれだけ面白くても。
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