前田亜季、共演の向井理は「気持ちのいい風が吹いてそう」

2018/07/11 07:00 配信

ドラマ インタビュー

「そろばん侍 風の市兵衛」第3部に出演している前田亜季

内容がきちんと伝わるように


──美早を演じる上で大切にしていることを教えてください。

美早は広国屋の本家の出なので、芯がなくてはならないと思います。私は(時代劇で)町人を演じることも多いのですが、所作の先生に姿勢を指摘されたりするので、芯の強さを表現しなきゃなと。

美早はすごく難しい立場なんです。本家から分家に来て、何か言うとみんなに疎まれてしまうし、そこで何かをしてもみんながついてきてくれるわけでもないし…。頼る人が誰も居なくて、かわいそうでさみしい人だなと思います。

時代劇でそういう役の背景を考えるのも、とても楽しいですね。この時代だったらどう感じるんだろう、美早だったらお店を仕切らなきゃいけない立場だから孤独だろうし、大変だろうなって想像して…。すごく真剣になってしまって、思わず顔が険しくなってしまうんです(笑)。その加減が難しいですね。

──苦悩することの多い美早ですが、4歳になるお昌(尻引結馨)との場面では笑顔を見せますよね。

現場もお昌ちゃんが居るだけでなごみますし、美早にとってもそうだったと思うんです。シビアでつらい生活の中、お昌ちゃんは美早の生きがいで、明るい彼女がいるだけで救われる部分がたくさんあったのではないかと。本当にかわいくて、美早と自分が重なる部分があります。

原作では美早とお昌ちゃんの関係性は、もっと細かく描かれているんです。そういった部分も作品の中で表現していければと思っています。

──美早は市兵衛やお昌以外にも広国屋の面々とも一緒にいる時間が多いかと思いますが、演技についてお話しされたことはありますか?

手代の方々とは一定の距離がある役なので、稽古場でも絡みはなかったです。美早はいつもちょっと離れた位置で見守ったり心配しているシーンが多いので、程よい距離感で相手のことを観察できる位置にいるってことをリハーサルの段階からしていました。なので、お話しするのは主に向井さんと(主人・勘七郎役の)川口覚さんですね。

特に7話は広国屋の今の状況をみなさんに伝える回だったので、すごく説明が多いんです。私が向井さんに説明している情報をご覧になっている皆さんに伝えていかなきゃいけないので、監督さんに「今のって、伝わりますかね?」という確認はたくさんしてました。

経済ドラマってこともあって、せりふの中には数字も多いんです。だから、ご覧になっている方に内容がきちんと伝わるように、というのは意識しています。

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