本作の特徴は、主人公一家全員がスーパーパワーを持ったヒーロー家族でありながら、普通の一家と何一つ変わらないありふれた家族でもあるという点。
この相反しているような要素が両立するキャラクター像を、ブラッド・バード監督はどう確立したのか。「Mr.インクレディブル」のストーリーを考えついた頃、彼は人生で初めて父親になったばかりだったそう。
どうすれば家庭と自らの夢を両立させられるのだろう、という思いが“父親の視点”からのストーリーを生むきっかけとなった。
いつも思い描いていたイマジネーションあふれるスパイの冒険物語と、団結した家族の力を描いたファミリードラマ。やがて彼はこのヒーロー家族が、普通の家族と変わりのないファミリーであるという結論に達した。
そしてこの発想のスタンスは「インクレディブル・ファミリー」においても引き継がれている。
本作のリサーチについて問われたブラッド・バード監督は「最高のリサーチは、家族を持ち、家族の中にいることだったと思う。
面倒くさい弟という存在として普通に生活し、母を見ては『どうやって毎日家族を仕切っているんだろう』と思い、自分の子どもを持ち、妻とぶつかり、自分が間違っていたと認める。だからこの映画は僕にとってすごくパーソナルなんだ」とコメントしている。
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