――劇中では、ジミーさんが芸人として悩み、その悩みをさんまさんに相談するシーンも描かれますね。単なるコメディーではなく、味わい深い人間ドラマとして魅力的な作品だと感じました。
中尾:「芸人を辞める、でもやっぱりやりたい」という迷いの中で、ジミーさんは誰かにだまされたり、段々と自分にも人気が出てきたことに気持ちが追い付かなくなっていったり。常に葛藤しているんです。
この作品は、芸能界で生きる苦しさのようなものも、実は表現しているんですよ。かたや、さんまさんはトップスターですけど、きっとものすごい苦労もあると思うんです。ただ、さんまさんはそれを絶対に表には出さないんですよね。
――相談するシーンも含め、さんまさんの一言一言が胸に響きました。ジミーさん、さんまさんに言われた言葉で、最も印象に残っている言葉は何ですか?
ジミー:「陰で人の悪口を言うな。もしその人の悪口を言いたかったら、目の前で言いなさい」「俺の前で絶対にうそをつくな」はすごく印象に残っていますね。
――言われた背景には、どんなことがあったんですか?
ジミー:一回、メークさんの悪口を言ってしまったときに、えらい怒られたんですよ。自分では悪口じゃなく、ギャグのつもりで言うたんですけど、「俺が言うてその人をちょける(いじる)のと、おまえが言うてちょけるのは、意味が違うから。
おまえがそういうふうに言いよったら、悪口になってまうから」と言われたのが、自分の中ですごく印象に残っています。
――ギャグになっていなかったことを怒られたということですね。その経験からどんなことを学んだのでしょう?
ジミー:まず、自分のキャラを考えてから人と接して、ギャグを言いなさいと。自分のキャラを知らんのに、その人を傷つけることはやってはいけないと教わりました。
あともう一つの方は遅刻した時に、うその言い訳をするなと言われたんです。例えば何かで失敗したら、正直に「すいません」と言うことから入りなさいと教わったんです。
――なるほど。中尾さんが役者業を続けていくうえで、大切にしている言葉や考えはありますか?
中尾:例えば、さんまさん、ジミーさん、僕の3人で飲みに行かせてもらうとき、さんまさんは歩いて移動するんですけど、いろいろな人が声をかけてくださるんですよね。
そういう時も、さんまさんは絶対に相手の人とかとコミュニケーションを取るんです。「どこの店に行くの? 俺、ここ行くね~ん」とか言いながら、盛り上がって(笑)。そのファンサービスが、すごいなと思うんです。
絶対に嫌な顔一つ見せないっていうのは、ものすごく学ぶところがありますね。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)