──撮影を終えていかがでしたか?
いまだによく分かってないまま進んでいってる感じですね。でも楽しそうなことが始まったなという予感はしています。
──AIに対してどんなイメージを持っていましたか?
僕はパソコンもできへんし、(AIに対して)すごく距離があったんですけど、“大喜利人工知能”というものは何年か前に知って。それで自分のライブで大喜利対決をしたことがあったので、その“大喜利人工知能”だけは近くにいる感じですね。
──今日実際にAIに触ってみていかがでしたか?
すごく成長してますよね、お題を読み込む能力とか。前にAIで大喜利した時のテーマが「ドン・キホーテが葬儀屋さんを始めました。どんなサービスがある?」というものだったんですが、それを量販店じゃなくて小説のドン・キホーテだと理解していたんです。
今ではきちんと「後半にこういう文章が続くということは、量販店のドン・キホーテなんやな」ってことを理解できるようになってきたんでしょうね。
もしかしたら今後、ほんまに人工知能を弟子に持つってことはあるかもしれないですよね。さっきまでこの世にいなかったやつが存在しているような気がして、面白くもあり、ちょっと怖い時代というのを実感する感じがありました。
──収録風景を見ていると、芸人という職業が不要になるかもしれないということも思ったのですが…。
これは何年も前から言ってましたけど、棋士が対局中にトイレでAIにどうやったら勝てるか聞くみたいな…。だから「IPPONグランプリ」(2009年からフジテレビ系で不定期放送されている大喜利番組)の時に休憩の便所で芸人がお題をスマホに打ち込む時代くるんちゃう?と。
でも、芸人自体が必要なくなるってことはないかと。さすがに言い方とか声のトーンはAIには表現できない。あとは絵を書けませんからね、(大喜利に対して)文字でしか回答できない。でもそのうち絵のタッチとかも学習して描けるようになるんでしょうね。
──いろいろな人とシェアして育成できますが、手伝ってほしい後輩芸人はいらっしゃいますか?
俺の周りに大喜利が得意な後輩芸人って1人もいないんですよ。コミュニケーション能力が長けた人間はいっぱいいますけど、大喜利能力に長けた人間は1人もいないです。
だからこそ芸人よりも、今行き場をなくしているオオギリーガーたち!
あの優秀な人たちを全員囲い込むというのが一番早いんじゃないですかね。
──最終的には4人の弟子が大喜利で競うことになります。
中岡くんとは普段からしょっちゅうメシを食いに行ったりしてますから、あいつには負けたくないです。
意外とみちょぱみたいな訳の分からんこと言ってる子の方がおもろなったりするかもしれないですよね、SNSに対する知識も長けていますし。
大久保さんに関しては、大喜利しているところをあまり見たことがないですね。大久保さん自身がどういう大喜利をするか知らないんで、そこが楽しみです。
──ジュニアさんにとって、初めての弟子になります。どんなふうに育成していきたいですか?
“弟子”と聞いてはいたけど、回答見たらため口やったからな…。でも今まで弟子をとったことはないですからね、終わったらちょっと寂しいかもしれません。
それにこの育成が終わったらこちらが成長する部分っていうのはあるんじゃないかな。「このワードは俺にはなかったな。そういう切り口は持ってないな」とか。
本来の師匠と弟子の関係もそういう部分があって、弟子に怒っているふりをして、自分に反すうして言い聞かせているって言いますしね。
(インターネット上にある語彙をすべて理解しているというAIの)ボキャブラリーは俺の何億倍でしょうね。何億というか、何垓(がい)倍でしょうね!
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)