――脚本・演出を手掛けられた木村信司監督は、すごく熱い方だと聞いたことがあります。一緒にお仕事されて、いかがでしたか?
ちょっと変わった部分をお持ちの熱い方ですね。はじめてお会いしたときから、この人は信頼していい人だというシンパシーみたいなものを感じました(笑)。そこがまず一番大きかったですね。私が心配する前に、言葉で説明してくださるんです。
だから、最初の方は休憩中とかにもお話しさせていただきました。こちらが聞いたことに対しては全て回答が返ってくるので、そこはすごく安心していました。
――木村監督から、アネモネを演じる際のリクエストはありましたか?
それが、なくて…。私は原作を読んで、アネモネが大好きになったんです。だから原作に近づけたいと思っていたんですけど、最初に稽古場に入ったときに、「全部とっぱらえ! 何も作るな!!」って監督に言われて。
私がふと座ったり、立っていたりすると「それだよ、アネモネは!」みたいな感じでよく言われましたね。自分ではあまり、よく分かっていなかったんですけど(苦笑)。だからあまり飾り立てずに、素直に感情と本能に従って現場にいます。
――山下さんそのものがアネモネなんですかね…。ところで、アネモネはどういう人物ですか?
小説の中にもあるんですけど、アネモネって絶対不幸になるはずなのに、女性たちがうらやましく思ったりする役どころです。とことん素直だから、私も彼女に憧れる部分がありますね。
それこそ大人になるにつれて、愛想笑いをしなきゃいけないとか、世間を気にする目が生まれてくるんですけど、アネモネにはそれがないんです。直感で「キク好き、だから一緒にいる」みたいな。そういう素直さに引かれます。
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