一方、自分らしく音楽を追及するのが堂本剛。音楽活動を通して、KinKi Kidsとは違った世界観を打ち出している。
以前出演した生放送の音楽番組では、手にクリスタルを持って歌う姿が話題を集めたが、これはよりクリアな音楽を届けたいという理由からだそう。実際にスタジオでクリスタルを置いて音を出したところ、誰もが音がクリアに聞こえたことを実感したという。科学的根拠は立証しにくいかもしれないが、自分が見たこと聞いたことを信じて行動するところがなんとも剛らしい。
近年は音楽専門雑誌にも度々登場し、創作スタイルや音楽性について語る機会が増えた。インタビューでは「音楽から紐づけて人間を語る」ことや、何かのために音楽を作るのではなく、いい音楽ができたから届けるという、ミュージシャンとしてのありかたを追求する。
また、ラジオやテレビ番組では視聴者からの悩み相談に答える機会も多く、投稿者の気持ちを受け止め、寄り添う姿勢をみせる。これは、自身が過換気症候群やパニック障害、突発性難聴を患った経験が生きていると言えそうだ。
光一をきっかけに舞台の素晴らしさを知り、剛をきっかけに新たな音楽のジャンルに触れる機会になったファンも多いことだろう。
幅広い年齢層に向けて、誰もが楽しめるステージもあれば、コアなファンに向けたもの、またそうしたものへの橋渡しをする役目。一過性で消費されるものではなく、長く愛されるものを作り続ける。
2人に共通しているのはクリエーターでもあるということ。演者でありつつ、作詞・作曲を手がけたり、脚本を書いたり、舞台演出をしたりという裏方も手がける。
人気を得ても驕ることなく、慣れ親しんだ環境にあぐらをかかず、40歳を目前にさらなる挑戦と探究を続ける。それぞれのスタイルで進化を続けるところも、長く愛されている理由と言えそうだ。