──今もなお幅広い世代から愛される金田一ですが、どんなところが魅力だと思いますか?
「この人になら話せる」っていう何かはあるのかなと思います。
事件について色んな人にお話を伺う時に、“絶対にこの人には話したくない”って人もいますよね。
空想上の人物ですが、金田一が実際に居たら僕も色んなことを話してしまうかなと…。
今回は特に肉親についてなど決して人に聞かれたくないような話題が出てきますが、金田一にはつい話してしまうというのは、彼が他の人とは違う、人間的な魅力があるからこそだと思っています。
──「富士ファミリー」シリーズでもご一緒していた吉田監督とのお仕事はいかがですか?
監督とはもっとご一緒したいなと思っていたんです。でも1年に1回でいいというか(笑)。
吉田監督ってNGがないんですよ。監督があまり納得のいってないカットでも「ダメです」とは言わない、それがとても怖いんですよね。全て1回撮りというのはものすごく緊張感がありますが、監督はいつ見ても朗らかで…。
役者は説明してもらった方が楽なんです。でも監督は「これをしてください」とか全く言わないので、修業の場になっています(笑)
──それで1年に1回でいいと(笑)?
そうですね(笑)。
監督はお仕事するたびに新しいことに挑戦されているというか、どんどん作品が面白くなっているなと感じています。せりふが増えていったり…(笑)。
今回、僕は台本のラスト30ページほとんどしゃべっているんです、「これいじめなのかな?」って思うくらい! もちろん勉強になりましたけどね(笑)。
ただ、そういうことも含めた全てが、僕を金田一にさせてくれたんだなと感じました。
誰よりも僕自身が理解していないとラストの謎解きの場面での金田一に説得力がないので、「これはどういう解釈だったんだろう」とか、「金田一はこれにいつの時点で気づいたんだろう」とメモに書きだして。自分自身もすごくお芝居の勉強になったし、出来上がった作品を見るのも楽しみです。
──それでは最後に作品をご覧になる方へメッセージをお願いします。
どんな作品でも「ああすればよかった、こうすればよかった」と思うことはあるんですが、金田一に限ってはやれることを全部捧げましたという感じで、後悔はしていません。
「今までの金田一で一番面白いんじゃないか」と監督がおっしゃるということは間違いなくそうなんだろうと思いますし、その中で金田一を演じることができてとても幸せでした。
僕自身も早く見たいです!
有名宝石店で、毒物を使った殺人事件が起きる。容疑者に目された旧華族の椿英輔(益岡徹)は自殺してしまい、英輔の無実を信じる娘・美禰子(志田未来)から捜査の依頼を受けた金田一(吉岡)は、椿邸で行われる奇妙な占いに立ち会う。
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