産婦人科の“影”描くドラマ「透明なゆりかご」、院長役の瀬戸康史が感じた「知らないことの怖さ」〈後編〉

2018/08/15 07:00 配信

ドラマ インタビュー

劇中より、若い頃の由比(瀬戸康史・写真左)(C)NHK


知るべきことがこの作品にたくさん詰まっている


――どんな人に見てほしいと思いますか。

あまり関心のない人に見てほしいですね。それが難しいんですけどね。

僕の友達のあるママの人は、原作を読んで、ドラマを見たくないって言ってたんですよ。一番関心があるであろう母親でも目を背けたくなるぐらい、衝撃的な作品だとは思います。

でもそこで見たくないから見ないんじゃなくて、そこに目を向けることで新たに発見できることだったり新たに知れることっていうのはたくさんあるんですよね。

だから逃げずに見てほしいし、こういうことに関心を持つことは人として大事なことだと僕は思いますね。

――この作品を見て、どんなことを感じてほしいですか。

毎話毎話感じることは違うと思いますけど、全話共通して言えることは、「知らないことの怖さ」だと思います。

それは命の大切さもそうですし、中絶のことも、女性が抱える負担の大きさも知らなかったらいけないと思うし、知っておくべきことがたくさん詰まってると思いますので、それを知ってほしいですね。

――知ることで見えてくることがある。

特に男性は知っておかなきゃいけないことがたくさんあると思います。僕もその一人だったんですけど。

これは実生活であったことなんですけど、最近結婚をして、これから子作りを始めようかという女性が知り合いにいらして、僕がこういう作品に出るということで、旦那さんに相談しづらいことを相談してくれたことがあったんです。

僕は知ってる限りの知識を伝えました。病院に行ったことがないなら、一回検査も含めて病院に行ったほうがいいっていう先生みたいなことも言いましたけど、知っているといろいろ対処ができると思うんですよね。奥さんに寄り添うことにもなるし。

結婚したからには子育ては夫婦が共にすべきだと思うのですが、そういった男性が少ないのは、知らないから手が出せないって理由もあると思うんですよ。だから知るべきことはたくさんあると思います。この作品の中に。

産婦人科のシビアな面を描く同作を、瀬戸は「逃げずに見てほしい」と訴える

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