小さな子供からおじいちゃんおばあちゃんまで、どの世代においても感動したり興奮したり、時には人生の行く道までも照らしてくれる映画という存在。それは予算の大小や監督の知名度に縛られず、自由な表現の世界で制作陣が想いを込めて作り上げる至高のエンターテインメント作品だ。
その制作陣の想いが強く込められた映画は観客の心を強く動かし、その時の思い出や人生の出来事とともに深く記憶に刻まれる。ムービープラスでは、そんなかけがえのない映画体験と、それにまつわる人生のさまざまなエピソードを各界の著名人が語る番組「この映画が観たい」を放送中。2013年9月に放送された第1回以来、漫画家の池田理代子や乃木坂46の堀未央奈らが登場し、それぞれの人生に関わる“オールタイム・ベスト”な5作品について語ってきた。
そして2018年9月3日(月)の放送には、元宝塚歌劇団星組トップスターであり、現在女優として活躍中の柚希礼音が登場。番組では『プラダを着た悪魔』(2006年)、『ヘアスプレー』(2007年)、『オーシャンズ11』(2001年)など、自身が選んだ5作品について、当時の思い出や作品の魅力を語っている。収録を終えた柚希に、語り尽くせなかった当時の思い出や、自身のファッション観について聞いた。
まずは収録を終えての感想を聞かせてください。
「これまで観てきた映画が、こんなにも自分の人生に深く関わっていたんだなということを、改めて感じた場でしたね。その時その時に自分にとって必要な映画を観て、そこからいろんなことを学んできたんだな、と。そのことも改めて感じましたし、これからもたくさんの映画を観ながら、刺激をもらって生きていこうと思いました」
番組の中では、宝塚時代や初めて映画に触れた時の思い出などについて語っていらっしゃいました。今回の5作品を選ぶにあたって、“今まで忘れていたのに急に思い出した出来事”というものはありますか?
「映画『ヘアスプレー』で、両親とニューヨークへ旅行に出掛けて舞台を観たことを思い出しました。その時は宝塚音楽学校時代で、上級生の方に舞台『ヘアスプレー』を絶対に観た方が良いよと言われていたんです。でも私の中では『ヘアスプレーって何?スプレーの話?』くらいのノリで(笑)。しかも劇場に行ったら、客席にいる恰幅の良い方たちが開演ギリギリまでたくさん食べているんですよ!その舞台が始まる前からの一連の流れがすべてひっくるめてほのぼのしましたし、両親との旅行も全部思い出しましたね。やっぱり心に刻まれる映画は、誰と一緒に観たかとか、どういう状況だったのかとか…今回は映画を観るきっかけになった出来事を思い出しましたけど、いろんなことがセットで全部思い出されるから、その力はすごいなと思います」
ファッションの視点から楽しめる映画も観るのが好きと、番組ではお話しされています。ちなみに柚希さんは私服で、どのようなテイストのものを着られることが多いですか?
「男役を演じていた時は、パンツスタイルしかありませんでしたね。退団してからもしばらくは、パンツスタイルが多かったんですけど、最近はワンピースやスカートも着るようになりました。それから元々秋冬のファッションは楽しいなと思っていたんですけど、夏の場合は逆に難しいなと感じていまして。というのもパンツスタイルだと、なかなか限りがあると言いますか(笑)」
私もパンツスタイルが多いので、夏はTシャツとデニムで終わりかな?と日ごろ思っています(笑)。
「そうなんです!頑張りようがないと思っていたんですよ(笑)。でもスカートが1着あるだけで急にレパートリーが広がって!着て良いものが増えるとますます興味深いなと感じて、いろいろなテイストの服を見るようになりました。でも自分に似合う、似合わないがあるし、でも着ないまま、着てみたいと思ったままというのはいけないと思うので、必ず1回は挑戦するようにしています。着てみてダメだったらダメだったということで(笑)」
最近買ったものの中で、お気に入りのアイテムはありますか?
「そうですね…でも本当にワンピースってすごいですよね。上も下もその1着で決まりますし、小物の合わせはありますけど、ワンピース自体がイケていたら、もうすべてが大丈夫(笑)」
ワンピースを着る時は少し気持ちも違ってきますよね。
「Tシャツとデニムの組み合わせとはやっぱり気持ちが違うので、ワンピースで似合うものがあるとやっぱり良いなと思います。ちゃんとカッコよさもあり大人っぽさもある自分に似合うワンピースを、日本だけでなく海外へ行った時にも探したいですね」
最後に番組を見てくださる皆さんに向けて、メッセージをお願いします。
「私の場合は、いろいろ選びたい作品がある中で『ヘアスプレー』などの5作品にしましたが、皆さまにも映画との思い出がたくさんあると思います。やっぱり映画から感じること、背中を押してもらうこと、救われることが皆さまそれぞれにあると思いますので、それを思い出しながら番組をご覧いただいて、ぜひこれからも皆さんで映画を楽しんでいきましょう!」
文=椋鳥 撮影=中川容邦 ヘアメイク=CHIHARU
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)