山田孝之&菅田将暉「dele」圭司の“意外な”設定も!変化を内包するユニークな世界観のウラガワ

2018/08/24 12:00 配信

ドラマ

依頼人・日暮裕司(野田洋次郎)の残したイラストをたどってみると…(C)テレビ朝日


車いす設定のウラガワ


“キャラクターのディテール”といえば避けて通れないのが、圭司の車いすにまつわる描写。圭司は、原因不明の難病で下半身の麻ひが進行し、車いす生活を余儀なくされている。第4話では、日暮の遺体を見つけた驚きのあまり車椅子から降り、這って遺体に寄っていくなど、圭司の足が不自由であるという描写をあえて取り入れた。圭司が日ごろから車いすで生活している、その生活感が垣間見えた場面だ。

「ほかにも、家に入るときにはちゃんと車いすの車輪を拭いてから入る、という描写も入れました。そうしたシーンをあまりに意図的に避けてしまうのはどうなのだろうかと考えていました。監督や山田孝之さんとも相談させていただき、ことさら強調するわけではなく、あくまで自然な表現として車いすで生活する際のリアルな描写も入れました。

車いすはタイアップしていただいた車いすメーカーの皆様にオーダーメードで作っていただいたのですが、その際にメーカーの方からお借りした実際の車いすで、山田さんはクランクインまでの2か月間、練習を重ねてくださっていたようです。山田さんは練習していることを周りにおっしゃらず、裏で当たり前のようにやってらっしゃったと思うのですが、現場にいらっしゃったときにはもう現実の車いすの乗り手の方にしかできないようなレベルのことができていました。手とバランスだけでちょっと車輪を浮かしたり、2か月前にはできなかった操作もクランクイン時にはほとんど身につけられていて、本当にすごかったです。」(山田P)。

原案・本多氏の着想からスタートした「dele」は、プロダクションデザイナーや様々な専門のプロたちのもとでリアリティーを伴った一つの“世界観”となり、その枠組みの中でキャスト陣が持てる力を発揮することで作られている。

ウラガワが丁寧に織り込まれることによって、表面に美しい光沢と深みのある色味、ユニークな模様が浮かび上がる。「dele」はそんな一反の織物のような作品、といえるかもしれない。

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