親が子を思う心、子が親を求める心の強さを中心に描いてきた「グッド・ドクター」。その根底には「愛されたい」という純粋な思いがある。毎回のエピソードの終盤、湊が患者に本当の気持ちを伝えるよう促すシーンは視聴者の間で“心のオペ”と呼ばれ、多くの共感を得ている。
ドラマ放送の反響も大きい。中四国地区唯一の小児がん拠点病院である広島大学病院では、第1話に感銘を受けた同院医師の申し出がきっかけとなり、小児科病棟に入院中の子どもたちが参加するドラマPR動画が作成された。保護者からも「現実世界にこうやって病気と闘っている子どもがいることを知ってもらえる機会を与えてもらってよかった」といった喜びと感謝の声が上がっているという。
ドラマで描かれるテーマにも、広がりが見え始めている。これまでは病気の子どもとその親のつながりがメーンだったが、第7話では愛し合う恋人たちの絆が描かれた。
まだ人を好きになったことがないであろう湊には少々難しさもあるようで、「その人のことを思うと胸がキュッと痛くなる」という担当患者・伊代(松風理咲)に「胸がキュッと痛くなるのは狭心症と肺炎の症状が考えられます」など、とぼけた返答をするシーンも。
しかし、それだけで終わらないのが湊先生だ。
卵巣を摘出した菜々子と、「子どもがほしい」と本音を語りながらも現実を受け入れ、再びプロポーズした健太郎。ふたりの絆を目の当たりにし、「健太郎さんはすごいお医者さんです」「瀬戸先生の胸が苦しくなったら僕が治したいです」と、一歩踏み込んだ“愛”を理解する成長ぶり。さらに、手術中に菜々子の卵巣に排卵直前の卵胞があるのを見つけ、体外受精の可能性を提示した。これは菜々子と健太郎にとって、嬉しい提案になるだろう。
第8話では、小児がんの少年とその母、そして、少年の兄の葛藤がテーマ。母親役で酒井若菜がゲスト出演することも話題になっている。
「愛されたい」という純粋な思いを丁寧に描き、視聴者の心を捕え続ける「グッド・ドクター」。好調な視聴率も大きな反響も、その丁寧さが視聴者に届いていることのあかしだ。
※山崎賢人の「崎」は正しくは「立さき」
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