――常に劇団の先行きを心配して、劇団員がウケたときは一緒に喜んで。まさに座長の鑑ですね。
「ぶっちゃけて言うと、立ち上げたときからずっと心配だし、メンバーの結束が固まっていくことはずっと喜びだし。この心配と喜びは、本当にずーっと、僕が退団するまで永遠に続くんだと思います。で、この心配がゼロになったときに、たぶん僕は抜けるんでしょうね、『あとはみんなに任せます』って。
――では、ゴリさんが思い描く、おきなわ新喜劇の“最終目標”は?
「旗揚げのときから言ってることなんですが、“沖縄のNGK(なんばグランド花月)”が夢です。365日休まず1日3回公演、毎公演満席、という。NGKって、今や大阪の観光名所の一つじゃないですか。それと同じように、おきなわ新喜劇が沖縄の観光コースに組み込まれることが夢なんです。沖縄自体は既に観光地として人気があるから、観光客は増やす必要ないと思うんですよ。ただ、おきなわ新喜劇はまだ観光スポットにはなっていない。だから、観光名所の一つに選ばれるまで頑張りたいなと。で、その夢が叶ったときに僕の役目は終わるということです。あとはもう別に僕がいなくても、他の若手がどんどん入れ替わって、吉本新喜劇のように座長を変えて、つないでいけばいいんです」
――その最終目標が山の頂上だとすると、今は何合目あたりにいるのでしょうか。
「最初は10年って決めてたんです。『10年頑張ったら、あとはみなさんにお任せします』って。でも、約5年経ってみて、まだ半分にも達しない…2、3合目くらいじゃないですか。たぶん8合目あたりまで来れば、お客さんだけじゃなく、『おきなわ新喜劇に出たい』『作家になりたい』っていう人たちも、わーっと集まるようになる気がするんですけど。登り始めてから5合目あたりまで、つまり、まさに今が一番苦しい時期だと思うんですよね。だから、とにかく踏ん張って、足を止めないことが大事なのかなと。ここで『ちょっと休憩しようか』なんて言ったら、せっかく興味を示してくれているお客さんも離れていくかもしれないし。とにかく、足を止めないこと。やり続けることですね」
――それでは最後に、Webサイト「ザテレビジョン」のユーザーへメッセージをお願いします。
「沖縄の風が好きな人は、たくさんいると思うんですけど、沖縄へ行く機会はそうそうないと思いますので、ぜひとも近場の東京や大阪で、沖縄の風を、笑いながら感じてください。ストレスが取れる笑いをゆったり堪能していただければ」
――「ストレスが取れる笑い」というのは素敵ですね。
「取れると思いますよ。沖縄の人ってやっぱり、のんびりしてますもん。また一方で、“くだらない”というのも、おきなわ新喜劇の大切なコンセプトなので、くだらなさもぜひ味わってほしいですね。『こんなバカな人たちが一生懸命舞台の上で頑張ってるんだったら、私も明日から頑張ってみようかな』なんて思っていただけたらうれしいです(笑)」
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