磯村勇斗が現場で見た「ドラマ甲子園」大賞受賞作品と19歳の監督

2018/09/03 16:29 配信

ドラマ インタビュー

「キミの墓石を建てに行こう。」で主人公・片瀬を演じる磯村勇斗

若き演出家の才能を発掘するため、年に一度、全国の高校生を対象に1時間のドラマ脚本を募集する「ドラマ甲子園」。大賞に選ばれた脚本は、執筆した高校生自身が監督となり、プロのスタッフ&キャスト陣と力を合わせて1本のTVドラマに作り上げられていく。5回目となる今回、大賞に選ばれたのは、長野県松本市在住の宮嵜瑛太さんによる「キミの墓石を建てに行こう。」という、センセーショナルなタイトルのラブストーリーだ。

日々を無気力に過ごしていた青年・片瀬と、彼と運命的に出会った明るい少女・梨花。彼女の後輩・奈々も含めた3人で過ごす時間が増える中、病魔に冒された梨花が片瀬に託した最後の願いと、それを叶えるために奮闘する片瀬と奈々の姿を繊細なタッチで紡ぎ出していく。

主人公・片瀬役にキャスティングされたのは、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」や「仮面ライダーゴースト」などに出演し、注目を集める若手俳優・磯村勇斗。ナチュラルながら印象的な演技はもちろん、ピュアな笑顔やクールな横顔など、多彩な表情を見せてくれる彼が、梨花役の志田未来と奈々役の白石聖と共に、青春の痛みと輝きを等身大の演技で表現している。今回は、撮影中のロケ現場に潜入し、彼に作品の魅力などを聞いた。

最初に脚本をお読みになった際の印象をお聞かせください。

「監督の宮嵜君が18歳の時に描いたお話ということだったんですけど、『18歳が描く作品じゃないな』と思いましたね。大人の恋模様もしっかり描かれていて、ちょっと驚きました。ストーリーも一見するとファンタジックな部分もあったりするのですが、どこか感情移入してしまうリアリティがあって、引き込まれましたね」

磯村さんが演じる片瀬については、どういった印象をお持ちになりましたか?

「最初、台本を読んだ時は、根暗で物事をあまりストレートに話さない人物だなと思いました。実際は、梨花に対しても奈々に対しても優しさを抱いているけれど、その気持ちを素直に話せない人なんだなって感じました。宮嵜監督とは、片瀬がどういう人物なのかを話し合いながら、お互いが抱いている片瀬という存在を共有しながら演じていました」

現場の雰囲気はどのような感じですか?

「宮嵜監督は堂々としていらっしゃいますね。コミュニケーションをよく取っていますが、監督自身が照れ屋なのか、キャストと話すのが少し苦手みたいで。思ったことをどううまく伝えたらいいか分からないみたいな、片瀬っぽいところがあると思いますね。最近は、他愛もない話をしたりして一緒に笑ったりする、そんな現場になっています」

一番心に残っているシーン、またはセリフがありましたらお聞かせください。

「冒頭の『指1本でも良かったのにな』という片瀬のセリフですね。そのセリフだけ取り出すとすごく気味が悪いけど、本人は一切そうは思っていないので、そのいい感じの言葉が面白いなと思いました。あと、梨花が『片瀬といると、冬でも暑い』というセリフがあるんですが、18歳であの言葉を書けるのはすごく素敵で、"青春"って言葉が似合うセリフだなって思いました」

そのシーンを実際に演じられていかがでしたか?

「リアルで言われてみたいと思いましたね。『一緒にいると、冬でも暑い』って言われたら、イチコロだなって思いました(笑)」

文=中村実香 撮影=中川容邦

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