――ドキュメントとお芝居の融合という、難しい作品だったと思います。
大東:最初に台本はあってないようなものだと聞いていて、ドッキリではないけど、彼女たちは何も知らない。彼女たちのひと夏の成長を描きたいということで、僕たちのことを知らないから、普通の大学生の振りをして、彼女たちの中に入ってくれという、“スパイ”みたいな依頼をされたんです。
――大東さんが俳優ということも知らなかったんですか?
大東:はい。僕たちは何となくある筋書きをベースに、彼女たちを導いていくみたいなことだったんですけど。最初はそういうスタートでした。
僕は日本が好きで、地方に行く仕事も多かったので、日本各地の文化などがなくなってきているというのは知っていました。こういうタイミングでこの作品に出合えたというのは、自分にとってラッキーだったなと思います。
この町では450年の「山あげ祭」というのがあって、それも存続の危機なんですね。実際にそこの町に入って、そういう文化の今まさに節目というか、分かれ目に出くわしているところに立ち合うというのは、自分にとっても発見があるんじゃないかなと思って、参加させていただくことになりました。
――町おこしのために高校生の二人が奔走します。全てが“リアル”なんですね?
どうなんでしょうね? 僕自身も謎を残していることはあります(笑)。何が本当なんだろう?って考えましたね。もちろん監督の意図もあると思いますが、それと僕の意思は別のところにあるなって感じたし、それだけ自由にその町に溶け込んでくれと言われたら、僕は僕でこの作品に参加する意義とか意思を持ちますよね。
僕としては彼女たちを見届けるということと、日本の現状を知る、この町の現状を知るということが、自分の知りたかったことなので、あまりそれ以外のことには深入りせずに、自分の仕事をやろうと決めていました。
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