山田孝之&菅田将暉「dele」“デジタル”というモチーフのウラガワ『くさびを一つ打っておきたかった』

2018/09/14 12:00 配信

ドラマ

金曜ナイトドラマ「dele」が9月14日(金)に最終回を迎える(C)テレビ朝日


小説「dele2」では、父の記憶・記録と向き合う圭司の姿も描かれる。詳しいエピソードはドラマを見てのお楽しみだが、常廣監督は「小説『dele2』に流れている“父性ってなんだろう、父親ってなんだろう”という思いがしっかりと出せたと思っています」と総括する。

デジタルへの違和感、そのウラガワ


dele」の撮影チームには、20代の若いスタッフが多い。山田Pは、そうした“デジタルネイティブ”世代の存在が「dele」制作において重要な側面だったかもしれないという。

「今はスマートフォンで、いい質感の写真が簡単に撮れますよね。美しい映像とか質感に対して、実は一般の人たちの方が感覚は全然先に行っているのかもしれません。

このドラマの若いチームもそうですが、そういうもので育った世代の人たちは映像や写真のフィルター一つとっても“キレイ”というものに共通してレベルの高い感覚があると思うんです。

僕らが、身の回りにデジタルがあることに関して違和感を覚える最後の世代かもしれない。その下になるともう当たり前になっていて、その是非を問うこともないだろうと。

両方の感覚を包含しながら、デジタルとアナログを行き来する物語を構築していったのがdeleの特徴だったのかもしれません」(山田P)

“引っ掛かりを持つ言葉”を…タイトルのウラガワ


最後に、「dele」というタイトルについても聞いてみた。

名付け親の本多氏は「キーボードのデリートキー1つでいろんな情報が消えてしまう。でもそこには、現代の人たちの“自分のコピー”みたいなものがたくさん入っている。

そこに違和感を覚えていたということもあり、違和感なくそういう時代を我々は生きているんだ、という思いもあり…。ちょっと耳慣れない、引っ掛かりを持つ言葉にしたいという思いもあり、校正用語の“dele”を選びました」と経緯を明かす。

一方、山田Pはプロデューサーの観点からの意外な背景も教えてくれた。「サブタイトルをつけなかったのはこだわりました。分かりやすい、説明的なサブタイトルを付けるのが主流かもしれませんが、そうしてしまうことで失われるものもある。シンプルかつ作品のすべてを表現しているdeleというタイトルの見たことない違和感は、必ずプラスに跳ね返ってくるものがある、と信じました」(山田P)

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