2018年9月8日(土)RABことリアルアキバボーイズが主催しているアニソンダンスバトルの全国大会『アキバ×ストリート5』通称『アキスト』の大阪予選が開催された。
アキストとして関西にやって来たのは今回で5回目だがなんといっても関西A-POPシーンの特色はその地域柄か、ダンサーとしてのコアな部分やそれに基づいた確かな基礎力、ひたむきに自分の選択したダンスジャンルと真摯に向き合っているダンサーが多いと感じる。そしてそのレベルの高さにも毎回驚かされっぱなしだ。今回もそんな大阪予選をレポート。
1回戦目から注目の対戦カードは”好楽 vs 咲き乱れたんぽぽ(ツカサ)”
選曲はアニメ「彼女がフラグをおられたら」のOP曲「クピドゥレビュー」に乗せ「好楽」が先攻、得意の縦系ブレイクダンスで見事なジョーダン音ハメフリーズを決め会場を沸かせる。
それに対し後攻の「咲き乱れたんぽぽ(ツカサ)」が様々なジャンルを取り入れた引き出しの多いフリースタイルで会場の空気を盛り返そうとする。しかし「好楽」の3秒停止フリーズのインパクトが強く勝敗は「好楽」が制する
そしてベスト8”タヲるん vs Ko-Key”のバトルも注目度が高かった。「Ko-Key」は今関西のA-POPシーンを引っ張っている期待の若手BBOYで、危なげなくここまで勝ち上がってきた。「対する「タヲるん」はアニソンでLOCKを踊るために生まれてきたようなエネルギッシュなダンサーで過去のファイナリスト経験者でもある。
どちらもジャンルが違う二人だが、お互い練習場所が一緒だったりと見知った仲だけにバトルの展開が注目される。そんな高カードのバトル、まず先攻を取ったのは「Ko-Key」選曲はアニメ「ひなこのーと」のOP曲「あ・え・い・う・え・お・あお!!」彼は今回手首を負傷してしまい得意のエアートラックスを封印した状態でのバトル参戦となったがその怪我を全く感じさせないスキルフルなムーブで会場を沸かせラストの音ハメエアチェアも見事に決まっていた。
対する後攻の「タヲるん」は歌詞に合わせたハイテンションなLOCKで会場を沸かせたかと思えば中盤、BBOY顔負けの倒立フリーズからのエンドレススピンフリーズを決めこれには審査員もオーディエンスも驚きを隠せなかった。そして勝敗は終始ムーブ内容に隙がなかった「タヲるん」に軍配が上がった。
またこの日は色んな個性を持っているダンサーが多く「うみお☆おりじなる」はそのファッションセンスから既にナチュラルなお洒落を醸し出しており、またA-POPシーンには居ないタイプの踊り方をするソウルフルなLOCKERであると感じた。BBOYの「アクシー」は終始自分のペース、スタンスを崩さず不思議な空気感を持っており観ている者を静かに引き込ませる何かがあった。
関東からやってきた熊本出身のAB-BOY「FUMI-ROCK」は絶対に優勝するんだという気迫と、その曲に対する理解度、気合の入ったムーブがこのアキストに対する彼の本気度を強く感じさせた。
そんなレベルの高いダンサーが多い中、決勝まで勝ち上がって来たのは”タヲるん vs 好楽”この二人はアキスト1からの参加者であり、関西のA-POPシーンをずっと盛り上げてくれている二人だけにどちらが勝っても胸を張って関西代表として名乗ることができるだろう。
そして決勝戦、選曲はアニメ「銀の匙 Silver Spoon」のED曲「オトノナルホウヘ→」からバトルはスタートした。まずはこの曲で先攻を取ったのは「好楽」縦系ブレイクダンスのバリエーションの多さや、細かい音ハメ、更には連続エアチェアコンボで会場を沸かせた。
対する「タヲるん」も「好楽」の技のインパクトに引けを取らないアクロバティックなLOCKや、キャッチーな動きの連発、そして最後には歌詞に合わせた連続ダブルシフトで対抗。続くセカンドラウンド、選曲はアニメ「劇場版トリニティセブン」の収録曲「BEAUTIFUL≒SENTENCE(Zero Answer Question)」
先攻の「好楽」はここまで体力を相当削られる縦系ブレイクダンスで若干のミスもあったが最後の最後まで絞り出したその姿勢はBBOY魂を感じざるを得なかった。そして「タヲるん」のラストムーブはやはり歌詞、曲の対する展開を完全に理解しきっており、見事に自身のLOCKスタイルで最後まで踊り切っていた。
見事この熱いバトルを制したのは「タヲるん」これで彼は二度目のファイナリストとなった。しかし彼は優勝コメントで「前回ファイナリストになったときは東京の当日予選で勝ったので今回は関西代表として皆の分まで背負って優勝する」と熱いコメントを残した。そんな個性派ダンサー達が揃ったこの大阪予選の頂点として彼はきっとファイナルでも存分にカマしてくることは間違いないだろう。
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