──番組では昭和の歌謡曲がたくさん披露されていますが、いかがでしょうか?
何故だか分からないんですが、「The Covers」に来る人は昭和の曲をカバーしなきゃいけないと思っている人は多くて…。
でもそんなことないんです、全然最近の曲でいいんです。
40代のゲストが多いから、原体験として「ザ・ベストテン」(1978年~1989年、TBS系)とかで知った曲をカバーすることになる。だから恐らく、若い人の方がカバーが苦手なんですよ。
ある程度の年代のミュージシャンはやりたい曲が明確にあるんですが、若い人はこの番組への出演が決まった時に「どの曲をカバーしようか」と曲を探すんですね。選曲についても「事務所の人と相談しました」って話が結構出るんですが、おやじたちは事務所の人とか相談する気がさらさらない(笑)。
人前で歌うということに加えて、原曲を歌っている人がいるということは、自分の歌を歌うよりストレスを感じるだろうなと。他の音楽番組に出るよりストレス5倍くらいあると思いますよ。生演奏だし。
本当に皆さん真摯に収録をしているんです。こんなに労力をかけて、朝からずっと収録して…。人の曲をですよ!?
放送初回からずっと思っていました、もう修業ですよね。
──そんな修業をしてきているミュージシャンの方をご覧になり、いかがですか?
「ミュージシャンってすごいな」と毎回思います。カバーって世界中で毎日されている訳じゃないですか。普通の人が誰かの曲を歌ったってカバーですから。スナックでおっさんのカラオケを聞いているのとはぜんぜん違う。本当に歌っているその人の歌になりますからね。
──最後に「The Covers」の魅力を教えてください。
人の曲を生演奏で披露するということは、慣れてないから絶対に自分の持ち歌を歌う時より多くリハーサルしてるはずなんです。
そしてミュージシャンの人たちは、自分たちの原体験を思い出しながらカバーをする。だからどの年代のミュージシャンでもみんな瑞々しいんですよね。
音楽部分を収録した後にトーク部分を収録する人と、その逆になる人も居るんですが、トーク後に音楽部分を収録する人はトーク中、気もそぞろ (笑)。
そのくらい本当に皆さん真剣に向き合っているんです。そのアーティストの方々の熱量の分だけ、いい音で、いい音楽をお届けできていると思います。
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