――やはり他の監督さんとは、演出が違いますか?
上川:演出方法や編集手段も含めて、他の監督さんがなさっていないことをされていますし、堤さんでしか垣間見られない現場の空気だとか、作品の仕上がりなどがあると思います。
溝端:以前2日間くらいWEBドラマで、ご一緒させていただきました。僕は堤さんのドラマを見て育ったと言っても過言じゃないくらいの世代なので、大好きな作品がいっぱいあります。そういう作品を見て、ドラマって楽しいと思ったきっかけになりました。
堤さんは斬新で、新しいものをどんどんポジティブに捉えられる方ですね。その堤さんが壮大な舞台を手掛けられるのは楽しみですし、それ相応の覚悟を持って挑まないといけないと思っています。
――天草四郎といえば上川さんですが、上川さんの中でも天草四郎像みたいなものはあるんですか?
上川:(劇団)新感線さんの舞台ではやらせていただきました(笑)。ストーリーは全く違っていたのですが、島原の乱の悲惨さは作品が違っていても決して変わらないです。
溝端:なるほど!
上川:3万7000人という人間が屠殺(とさつ)に近い状態で殺害されたシチュエーションは、行う側も含めて常軌をそらしていたでしょうし、だからこそ現実から目をそらすような説得力を伴った、民を導くカリスマとういう存在は必然だったと思うんです。
四郎はそのために作り上げられたといったら失礼かもしれませんが、人々が求め、それぞれ作ってしまった偶像として生まれた人物という見方はできるかもしれません。
溝端:周りが神と思いたかったというのもあるでしょうし、実際にそういう天草四郎の伝説というか武勇伝もありますしね。余った銃弾を溶かしてまで十字架を作っていたという話は、すごく印象的でした。物語にするには、あまりにも悲惨過ぎるかなと思います。
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