太宰治、川端康成ら文豪の怪談を是枝裕和監督ら4人の映画監督が映像化!

2010/08/08 15:00 配信

芸能一般

芦名星(写真)、平田満らが出演した川端康成原作の「片腕」

川端康成、太宰治ら日本の文豪たちが残した怪談作品をドラマ化し、その作品が描かれた背景に迫るドキュメンタリーと共に放送する「妖(あや)しき文豪怪談」が、NHK BSハイビジョンで8月23日(月)〜8月26日(木)まで4夜連続放送される。

ドラマパートでは、是枝裕和監督や塚本晋也監督など、日本を代表する映画監督たちが、文豪が描く“妖しい世界”を独特の感性で映像化。また、ドキュメンタリーパートでは、怪談文学やホラーに精通した文芸評論家・東雅夫氏が監修し、作家たちが怪談を執筆した理由や、知られざる一面に迫る。

8月23日(月)は、「世にも奇妙な物語」(フジ系)などのテレビドラマを演出し、映画「シャッター」('08年)ではハリウッドデビューを果たした落合正幸監督による、川端康成原作の「片腕」を放送。ある娘(芦名星)から、「片腕を一晩お貸ししてもいいわ」と右腕を手渡された男(平田満)が、受け取った腕を自分のアパートに持ち帰り、現実と幻の間をさまよう姿を描く。

8月24日(火)は、映画「鉄男」('89年)などで海外でもカルト的な人気を誇る塚本監督による、太宰治原作の「葉桜と魔笛」を放送。余命100日以内と医者に宣言された妹・伊津江(徳永えり)を元気付けようとする姉・優子(河井青葉)は、伊津江が男性とやりとりしていた謎の手紙の束を見つけ、やがてその手紙に隠された秘密を知る。

8月25日(水)は、映画「フラガール」('06年)で日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した李相日監督が手掛けた芥川龍之介原作の「鼻」を放送。平安時代、異様な鼻を隠すため人目をはばかるように暮らす僧・禅智(松重豊)は、川に流されて行方不明になった村の子ども・保吉(小山颯)の母・トメ(井川遥)に懇願され、しぶしぶ祈とうをする。すると、保吉が生きて姿を現し、禅智を冷たく見詰める。

8月26日(木)は、映画「誰も知らない」('04年)や映画「歩いても 歩いても」('08年)などで、国内外で高い評価を受ける是枝監督による、室生犀星の「童子」と「後の日の童子」をモチーフにした「後の日」を放送。生まれて間もなく死んだ豹太郎(澁谷武尊)が、少し大きくなって家に帰ってきた。心から喜ぶ父・笏悟朗(しゃくごろう・加瀬亮)と母・とみ子(中村ゆり)は、再び息子を失うのではないのかという不安を抱えながらも3人で穏やかな日々を過ごす。

なお、NHK総合では関連番組として、東氏と怪談ファンの佐野史郎をゲストに迎え、「妖しき文豪怪談」の制作の舞台裏や日本の文豪怪談の歴史を紹介する「妖しき文豪怪談の魅力」(仮)を8月11日(水)に放送するほか、「妖しき文豪怪談」(仮)の4人の監督をクローズアップした「文豪怪談に挑む4人の監督たち」を8月15日(日)に放送する。