「まずはやること、そして続けること」 FEC社長 山城智二<演芸集団FECリレー連載>

2018/10/03 13:00 配信

芸能一般

山城智二=1971年7月22日生まれ、沖縄県出身。お笑い芸人。(有)FECオフィス 代表取締役社長。お笑いだけでなく、映画やドラマなど、マルチに活躍中。


今年で25周年を迎える沖縄の芸能プロダクション「FECオフィス」。1993年に「演芸集団フリーエンジョイカンパニー」を旗揚げ。その後、2001年に山城智二を代表とした会社組織となり、現在は芸人50名が在籍、舞台、テレビ、ラジオ、イベントで活躍する。今回は所属芸人4人にインタビューを行い、毎週水曜にリレー形式で掲載。

初回はFEC社長である山城智二に話を伺い、自身の思う沖縄のお笑いや創設25年に至るまでの沿革をひもといていく。

山城は社長でありながら、沖縄で数多くのCMやテレビ、ドラマ、映画など幅広く活躍し、2017年には「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2017」で「ベストアクター賞」を受賞した経歴を持つお笑い芸人だ。沖縄のテレビでは顔を見ない日はないほどの存在である。

FECは当初、山城の兄である故・山城達樹さんが立ち上げた大学のイベントサークルであった。月一でビーチパーティーや遠足などを企画する中、学園祭でお笑いライブを開催したことを機に、内容をイベントから“お笑い”へと絞っていく。当時高校生だった山城は、もともと他人を笑わせるのが好きだったこともあり、ライブのステージ要員として参加することに。そして、大学在学中からお笑いコンビ「ファニーズ」として活躍していた達樹さんが卒業と同時に会社を設立。山城も所属芸人となった。

―当初は何人くらい所属していたんですか?

「最初は15~6人いたが、プロとして本格的にやろうと決めた途端メンバーが就職だなんだと離脱していって、結局パレット市民劇場で旗揚げ公演した時には、覚悟を決めた幼なじみの4人(山城兄弟含む)だけでコントと漫才と喜劇を披露した。その後、ファニーズの活躍もあってまた6組ぐらい増え、活動の場もひろがってきて…」

“楽しむ”サークルから“笑い”を提供する会社へ


サークルから“笑い”を提供する会社へと発展


順風満帆かに思えた中、達樹さんの急逝で状況が一変。兄の代わりに急きょ、会社運営を行うこととなった。

「兄貴が亡くなってからの2年間は(お笑い)を辞めようとしょっちゅう思ったよ。兄貴が始めたからお笑いも始めたし、道しるべとなってくれるとても大きな存在だったからね。死んでからの2年間は悪い思考の繰り返しで、今考えるとひどいうつ状態だったと思う。会社運営も義務感でやっているように感じていたから」

―2年目に何か大きな変化があったんですか?

「仲間に支えられながら徐々に考え方が変わった。お客さんの前に立っているときには楽しかったし、兄貴の沖縄のお笑いを確立させるっていう思いをベースにしつつ、自分なりのやり方でお笑いをやっていこうと思うようになって気持ちが楽になった」

―山城さんがFECでお笑いを続けていく上で大切にしていることって何ですか?

「兄貴がやってきたことと変わらない気もするけど、“沖縄”でお笑いをやることに意義があると思っている。ウチナーンチュ(沖縄の人)が沖縄の題材で沖縄の言葉を使って自分にあるものでお笑いを作っていくということを大切にしていきたい」

僕らでしか作れない“沖縄のお笑い”をもっと自由に楽しく


【写真を見る】山城智二が“沖縄のお笑い”について熱く語る


今回25周年記念イベントとして4000人を動員できるキャパシティのある会場を用意したFEC。しかも無料で招待するとうことだが、心配な点はないのだろうか…

「満員なら超大喜び!でも、大コケしても 『あいつらバカなことしてるさ~(笑)』って笑ってもらえたらそれだけでいいし、演出のまーちゃんには沖縄でしか提供できない笑いを作ってほしい、それが見所になれば」と余裕(?)の表情を見せた。

―FEC100年目(笑)に向けて新人へは何を期待していますか?

「100年…俺生きてないだろ!(笑) お笑いの表現って漫才やコントだけじゃない(次世代のお笑い芸人には)もっと自由に、もっと楽しんで自分の中にある“笑い”を表現してほしい。それをお客さんに理解してもらう技術を身に付けて、沖縄でしか見られない笑いを確立していってほしい」と熱く語った。

“楽しむこと”だけに注力して始めたサークル活動が今や沖縄県民を笑わせることにつながっている。

「計画的にすべてうまくいった25年ではなく、息切れしながらも突っ走った25年。気付いたらこうなっていた。兄貴が言っていたように『まずはやること、そして続けること』それもFECの信念だと思う」と語った。

兄の思いを受け継ぎ、今後も仲間とともに山城なりのやり方でFECと沖縄のお笑いを盛り上げていくだろう。

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