映画『あの頃、君を追いかけた』が10月5日(金)に公開する。
同作品は、2011年にほぼ無名のキャスト、新人監督の作品でありながら200万人を動員し、社会現象を巻き起こした同名台湾映画を日本版としてリメークしたもので、誰もが通り過ぎたまばゆい“青春時代”を瑞々しく描いた青春群像劇。
主人公の水島浩介を山田裕貴、ヒロインの早瀬真愛を齋藤飛鳥(乃木坂46)が演じるほか、2人の友人として松本穂香、佐久本宝、國島直希、中田圭祐、遊佐亮介といったフレッシュな俳優陣が出演している。
明るくのびのびと高校生活を楽しむ高校3年生の浩介(山田)は教師から問題児と見なされ、医者の娘で優等生の真愛(斎藤)を“お目付け役”にされてしまう。美少女だが真面目を絵に描いたような真愛に苦手意識を持つ浩介は、真愛を疎ましく思っていた。そんなある日、教科書を忘れた真愛を浩介が救ったことで、2人の関係に変化が起こる…といったストーリー。
今回、山田と齋藤にインタビューを行い、同作に込めた思いやお互いの印象などについて語ってもらった。
お互いの印象を教えてください
山田「大人しそうだったし、クールだと言われているような雰囲気だったのですが、撮影が進むにつれて笑顔が見られるようになりました。男子チームが女子チームを笑わせに行って『男子って本当にバカだね』というようなやり取りも出来たので、そういう雰囲気が作品にも出ていたんじゃないかな。お芝居にもすごい熱を持って取り組んでいる感じがあって、僕と似てるなって(笑)」
齋藤「山田さんはいろいろな役をやられていて、どれもハマってらっしゃったので、お会いする前は本当の姿が見えなくて少し怖かったです。お会いしたら、既に男子チームの空気感が出来上がっていたので、『誰とでも仲良くできる人なんだな。私とはタイプが違うから、もしかしたら接するのが難しいかも』と思っていたのですが、撮影していく内にお芝居に対して熱い思いを持っていることが分かりました」
ご自身が演じた役についての印象や、演じるうえで意識したことは?
山田「浩介は内面に“芸術家と犯罪者が2人いる”というような役柄で、真愛との関係においても1番のポイントとなるところだったので、そこはいつも忘れないようにしていました。そんな中でも、浩介にとってはそれが当たり前のことだったりするので、“当たり前に自分を生きている”ということ、1番素直に生きている男の子というイメージで、“普通の男の子”という部分から外れないように意識して演じました」
齋藤「真愛は“学園のマドンナ”というポジションだったのですが、私は“○○のマドンナ”に1度もなったことがないから、最初は『どう演じよう』と悩みました。でも、リアルな青春を描いた群像劇という作品なので、『あまり作り込まずに等身大でいこう』と。そして、『山田さんや他のキャストの皆さんとのやり取りの中で生まれるものが、そのまま映像になったらいいな』という気持ちで演じました」
役との共通点はありますか?
山田「浩介は本当に自分と近いものを感じます。他人とは思えない瞬間もたくさんあって、浩介の『すごい人間になりたい。俺がいると少しだけ世界が変わるような人間に』という台詞があるのですが、それは本当に俺がずっと思っていたことと同じで。いままでで1番シンクロ率が高かった役だと思いますし、入り込みやすかったです」
齋藤「『クールだ』って言われているところは同じですね。でも、真愛ちゃんは人格が優れ過ぎだと思う。お嬢様なのに全然お高く留まってないというか、ちゃんと人と向き合っているところがすごいなと。そんな中で、真愛ちゃんの『あなたは私を美化してる』とか『私のどこが好きなの』というような台詞は、私もファンの方にすごく言っていることだったのでシンパシーを感じる部分も多々ありました」
劇中では「パラレルワールド」という表現が印象的に登場しますが、もしパラレルワールドがあったとしたら、ご自身はどんな自分でしょうか?
山田「『この俳優という仕事に就けなかったら、マジでやれることないな』って思っていて。この仕事ができて本当にありがたいですし、この仕事以外のことをやっている自分が想像つかない…。だから、パラレルワールドでもこの仕事ができているというのが理想ですね。別の人間になるという“人間の心”に関係するこの仕事は1番フェアな仕事だと思っていて、全部自分のせいにできるところも好きですね」
齋藤「やはり私の中で乃木坂46というのはすごく大きな存在なので、パラレルワールドでも乃木坂46には入っていたいですね。もし可能なら、今とは違った真逆のキャラクターに挑戦してみたいかも。それこそ秋元真夏みたいなちょっとぶりっ子しているキャラとか(笑)」
最後にファンの方にメッセージをお願いします!
山田「本当に見てほしいです!見てもらわないと良いも悪いも言ってもらえないですし。あとは、この映画は愛すべきキャラクターがいっぱいいるから、出演しているみんなの事を好きになってもらって、この後もみんなの事を応援してもらえたら嬉しいです」
齋藤「キラキラした“あの頃”を昔経験した方は、見ると心が動かされたり何か響くものがあると思いますし、今“青春ど真ん中”で生きている人は、きっと何かしら共感する部分があると思うので、幅広い世代の方に見ていただいて“何か”を思い出すようなきっかけになればと思います」
文=原田健 撮影=皆藤健治
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