Shiori Murayamaが留学で実感した、世界で活躍できるダンサーになるために必要なこと

2018/10/02 15:00 配信

芸能一般 インタビュー

Shiori Murayama


「一度は本場のダンスに触れてみたい」「世界で活躍するダンサーになりたい」そう思って、留学をするダンサーは多い。学生であれば、なおさら留学という選択肢があるだろう。しかし、語学留学で渡米してもダンサーとしてどう活動できるのか。また、語学を学びながら、ダンスをすることは可能なのか。

Shiori Murayama


実際に、アメリカ・ロサンゼルスを拠点に活動している日本人ダンサー・Shiori Murayamaに話を聞いた。彼女は、2016年、高校卒業を機に渡米。初挑戦にしてThe Monsters Show ‘17のキャストに選ばれたことがきっかけで、アメリカのエージェント・Go 2 Talent Agencyと契約を交わしたのだ。

※The Monsters Showとは、ダンスイベントのこと。アメリカで有名な短期集中トレーニング型のワークショップ・Monsters of Hip Hop(以下、Monsters)を受けた受講者からショーに出演するキャストを選出する。

留学を決意したきっかけは、ひとりの日本人ダンサー


Shiori Murayama


――高校卒業までは、どういった活動をされていましたか?

7歳からダンスを始めて、小学3年生から中学卒業までEXPGに通っていました。「めちゃ×2イケてるッ!」でチビザイルとして、ナインティナイン・岡村隆史さんとも共演させていただいたこともあります。

開校されたばかりの時に入会したんですけど、当時いた生徒の中には、現在メジャーデビューして活躍しているアーティストや、有名なアーティストのバックアップなどで活躍しているダンサーさんもいたんです。

――すごいメンバーだったんですね! 中学卒業後は?

高校に通いながらたくさんのレッスンを受けました。特に、海外のダンサーのワークショップは何でも受けるようにしていましたね。

――留学を決意するきっかけはあったんですか?

高校1年生のときに受けたワークショップが、オーディションも兼ねたもので、翌週のイベントでショーをするというものだったんです。それに選ばれたときに、共演したMiki Emuraさんというダンサーがきっかけですね。Mikiさんは、LAで活動していた方で、代講レッスンをすることになったときに誘っていただいて受けに行ったんです。そうしたら、ハマっちゃって…。1年くらい、Mikiさんのレッスンを受け続けました。

左から、Miki Emura、Shiori Murayama


――きっかけは、日本人のダンサーだったんですね。

Mikiさんと出会って、Mikiさんが辿ってきた道を見てみたいと思うようになったんです。同時に海外のダンサーのワークショップも受けていて、「もっと刺激を受けたい!」「もっと生で見たい!」「もっと感じたい!」って、留学に対する欲が高まっていきました。

――高校卒業後に留学しましたが、それまでアメリカへ行ったことはありましたか?

高校1年生の終わりに1週間くらいのダンスキャンプに参加しました。そのときには留学を決意していたので、高校3年生の春に、現地の大学を見ておきたいと思って、留学を見据えて2週間ほど行きましたね。

自分の色を出せるアメリカでのダンスレッスンは居心地が良い


今年6月に行われたKinjaz主催のダンスイベント「Arena 2018」でLyle Beniga(ライル・ベニーガ)のゲストナンバーに出演したShiori Murayama(左から2人目)。


――留学する上で、費用がネックになる方も多いと思います。その点はどうしましたか?

アルバイトや、お年玉とかをもらうことがあったら全て貯金していました。アメリカでは働けないので、今はその貯金を崩しながら生活しています。あとは、親のサポートもあります。

――留学に向けて準備していたことはありますか?

英会話のレッスンを受けていました。あとは、現地の大学に入学するには英検2級取得が条件だったので、渡米前に絶対に英検2級は取ろうと決めていました。だから、文法の勉強もしたし、もちろん学校での英語の授業は高得点を取るようにしていましたね。ただ、いざ渡米してみたら全然違って…。日本での勉強だけではリスニングやスピーキングが弱いので、現地ではすごく苦戦しました。

――英語に慣れるまでにどれくらいかかりましたか?

本格的に渡米してから語学学校に通っていたけど、話せるまでにはなかなかなれなくて…。だから、ダンススタジオに行ったときに「カッコ良かったよ!」とか積極的に声を掛けるようにしましたね。友達も欲しかったので、名前を聞いたり、Instagramのアカウントを教えてもらったり。最初は名前も聞き取れなかったり、覚えられなかったりするから、SNSでつながることで名前が分かることも多くて、助かりました。

――ダンスを通して、語学力が身に付いていったんですね。

英語に慣れるのは早かった方かもしれないです。あとは、留学前に短期で行っていたので、その時からの知り合いがいたのも大きいと思います。みんなが優しくしてくれて、私がうまく英語を話せなくても、言いたいことを汲み取ってくれたり、フォローしてくれたりもしました。

――実際に留学してみて、日本でやっておいて良かったと思うことはありましたか?

海外のダンサーのワークショップをたくさん受けたこと。一番前で受けていたせいか、私のことを覚えていてくれたんです。あとは英語の勉強ですね。全くやらないよりはやっておいて良かったです。

元々、渡米前から「20歳までにMonstersのキャスト(※)になる」という目標を立てていたので、キャストに選ばれた人はどんな人だったのかを調べたり、受けたいダンサーがどこでレッスンをやっているのかを調べておいたり。そのおかげで、渡米してから良い順序でレッスンを受けられたと思います。

※キャストになるためには、各地で開催されるワークショップを受講し、ノミネートされ、ビデオ審査を合格する必要がある。各地で行うワークショップには1カ所で約400人が受講。その中から4~5人が選ばれ、合計で6~70人がビデオ審査へ進むことができる。キャストに選ばれるのは、その中から16人。

――日本と海外ではレッスンの雰囲気が違うと思いますが、実際に現地で受けたとき、どう思いましたか?

私は「イェーイ!」とか声を出したいタイプだったので、現地のレッスンの方が受けやすかったです。振り付けを間違えても誰も気にしないし、自分らしく踊る方が良かったので、「ああ、これでいいんだ!」って。自分の色を出せるのですごく居心地が良いです。

――では、逆にやっておけば良かったと思うことはありましたか?

ヒールやコンテンポラリー、JAZZのレッスンを受けておけば良かったと思いました。フリースタイルで踊れるようにしたり、自分で振り付けをしたりも…。ただ、後悔はしていないです! あとは、料理ができるようにしておけば良かったかな。今は、日本人の子とルームシェアしているんですけど、節約のためにもやっぱり自炊をしないといけないので。

できることならずっとアメリカに住んでいたい…


Shiori Murayama


――アメリカのエージェント・Go 2 Talent Agencyと契約した経緯は?

The Monsters Showがきっかけですね。ほとんどのエージェントは就労ビザやアーティストビザを持っていないと入れないから、学生ビザしかない私はなかなかチャンスがなかったんです。だから、アメリカで働けるビザを取得することが前提なんですけどね。

――「20歳までにMonstersのキャストになる」という目標を達成した今、次の目標は?

アーティストビザを取得することです。すごく難関だと思いますが、アーティストのバックアップダンサーとしてツアーを回れたり、いろいろなショーに出れたり…それを乗り越えたら世界が広がると思っています。

――アメリカにはいつまでいる予定ですか?

できることならずっと住んでいたいです!

OPT(Optional Practical Training)という、大学で専攻していたものに関連した仕事が1年間できるビザが下りるんですよ。大学でダンスを専攻していたので、念願だったダンス関連の仕事ができるようになるんです!

――本当に順調ですね! 細かく目標を設定してそれを着実にクリアしていっているからでしょうね。

そうかもしれないですね。目標などの叶えたいことを口に出したり、書いたり、とにかくアピールしました。実際に、レッスンを受けたときも「Monstersのキャストになります!」って講師に伝えることもあります。そうした方が自分でも意識するようになるんですよね。

現在は、Monstersのワークショップでアシスタントをしている。左から、Shiori Murayama、Kevin Maher。


――高校卒業後からすごいスピード感で活動していますね。

できることは自分からどんどんやっていかないと、と思っています。渡米当初は、語学学校に1年間通ってから大学へ行くつもりだったんです。でも、半年で大学へ入れるレベルになったから、語学学校を早く切り上げて大学へ行くことができて。そこで半年縮めることができました。

――将来的な目標はありますか?

バックアップダンサーとしてアーティストのワールドツアーを回って日本に行ったときに、私が踊っている姿を家族に見てもらいたいです!

ダンスを始めてから、本当にずっとダンスしかしてこなかったので、いつもサポートしてくれている家族や友達にダンスで恩返しができたらいいな、と思っています。

インタビュー・文・写真●msk by onelove