――公演中に30歳を迎えることに特別な感情はありますか?
私が1人でお芝居の道に入ってから7年が経って、来年8年目に。本当にありがたいことに一年中舞台をやらせていただいていて、公演本番中、大好きな場所で誕生日を迎えられるというのは幸せですね。まして、それが「キ上の空論」というのが本当に嬉しいです。
――モーニング娘。時代、新垣さんのメンバーカラーが黄緑で、30歳になる舞台が「みどり色」というのは巡り合わせのようなものを感じませんか?
そう言えばそうですね。考えたことなかったです(笑)。なんで「みどり」なんだろう? 今度、中島さんに聞いてみます。でも、本当に良い巡り合わせだなって思います。
――モーニング娘。時代にも舞台はありましたが、演技の道を本格的に意識されたのはいつのことですか?
卒業を決めた時ですね。「真田十勇士 ~ボクらが守りたかったもの~」(2011年)という初めて外部の舞台に出たのがきっかけで、そこでお芝居をずっとやっていきたいと思ったんです。グループでは自分が一番年上で教える立場になってましたけど、外に出たら自分が一番下で、それまで見えていなかった世界がそこにあって、イチから学び直せるすごく刺激的な環境だったんです。
――モーニング娘。を10年続けても、外に出たら学べることがまだまだあった?
そうなんですけど、まずモーニング娘。で学んだ10年が糧になってるし、それがあったから外に出られたと思うんですよ。
――途切れることなくオファーが来ているそうで、役者として認められているということですね。
嬉しいですね、本当に。去年は毎月稽古と本番がほぼ重なっている状態で、次から次へという生活でした。昼に次の舞台の稽古で、その後公演中の本番に、っていう日もありましたね。
――それだけ芝居漬けだと、大変だな、辛いなって思う時は来ませんか?
全然! 全くないですね。逆にほんの数日休みができるだけで、早くお芝居に入りたいと思っちゃうんですよ。だから時間があったら舞台を見に行ったりしちゃうし。こんなに大好きなことをしてるのに、辛いなんて思うことは本当にないですね。
――11月には映画「銃」へも出演されますが、こちらはどんな役なのでしょうか?
私は子供にDVするお母さん役で、ほぼすっぴんで、ヒステリックにずっと叫んでます。映像はあまり経験がなくやってみたいことだったので、これもすごく楽しかったですね。
撮影はもう終えているんですが、それが全体の中でどういうシーンとして入ってくるのかが分からなくて、私も見るのが楽しみなんです。映像って自分のシーンにしか(現場に)入らないから、そこが舞台と違うところですね。
――映像と舞台では、演技に向かう気持ちも変わるものですか?
映像は瞬発力が必要ですね。監督に言われたことがその場ですぐにできないと。舞台は人の芝居を見て参考にできるし、1カ月稽古して、できない人もできるようにするというのがありますけど、映像はその場での勝負。もちろん自分で(役を)入れてきますけど、「もう少しこうして」と言われた時にすぐにできないと、「できないんだな」って思われる怖さがありますね。向かう気持ちに差はないんですが、そういう意味での違いはとても大きいと感じます。
――上映が待ち遠しいですね。
「銃」は全編モノクロ映像になるようなので、仕上がりが本当に楽しみです。早く見たいですね。
【新垣里沙・ハロプロの外、手探りで進んでいった演劇の道「後輩に繋がっていく感じはすごく嬉しい」へと続く。同記事は10月4日(木)朝11時配信予定】
取材・文:鈴木康道
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)