新垣里沙・ハロプロの外、手探りで進んでいった演劇の道「後輩に繋がっていく感じはすごく嬉しい」

2018/10/04 11:00 配信

芸能一般 インタビュー

モーニング娘。5期メンバーとして活動した新垣里沙。高橋愛の後を継ぎ、7代目リーダーも務めた


10月17日(水)より上演される舞台「キ上の空論#9 みどり色の水泡にキス」で、ヒロイン・ミドリ役を演じる新垣里沙へのインタビュー後編。“ガキさん”の愛称で親しまれる彼女に、これからの目標や転機となった役などについて聞かせてもらった。

モーニング娘。から演劇界へ…新垣里沙・オファー途切れぬ役者となった今。主演舞台「キ上の空論#9」も開幕間近! より続く】

舞台が好きだからと留まらず、映像にもチャレンジして


――2.5次元、時代物に現代劇にと、幅広いジャンルを経験されていますが、役者として自分の得意な方向というのは見えているんですか?

うーん。得意というか、好きというなら「キ上の空論」のような、ナチュラルな会話劇の方が好きですね。ミュージカルや2.5次元より、お芝居の原点というような作品が。1つ前に、椿鬼奴さん主演の「ロックの女」(2018年)に出ているんですが、あれも会話劇で、すごく楽しい舞台でした。「キ上の空論」とは正反対で、めちゃくちゃ激しい会話劇だったんですけどね。

――2.5次元への出演、確かに少ないですが、「暁のヨナ」(2016年・主演)も「ロマンシング サガ ~ロアーヌが燃える日〜」(2017年)も良かったですけどね。衣装も華やかで。

2.5次元はその2本だけなんですけど、ストレートな舞台と違う楽しさはありますね。「ヨナ」は漫画も面白くて、2.5次元ものはお客さんがアニメや漫画のキャラクターをイメージして来るところがあるじゃないですか。そのキャラクターにどれだけを自分を近づけられるかという、オリジナルの舞台とは違う役作りの仕方も勉強になりますね。キャラクターになれるというのは普段ではない経験ですし。

「キ机の空論#7」からのワンシーン。着実に演技力を上げている新垣は、近年間隔が空くことなく舞台に立ち続けている


――ご自分としては舞台と映像、どちらの方に気持ちが強いですか?

それも難しいなあ…。舞台は本当に大好きで、その時、その空間でお客さんを巻き込んで作っていくという感覚が良いんですよね。これからもずっと続けていきたいお仕事です。でも、映像にも興味というか、チャレンジしていきたいという気持ちも強いです。特に映画はまだ数えられる程度しか経験がないので、どんな世界なのかを知って、もっと勉強していきたいです。

そこで得たものを舞台の世界に持ち帰りたいという気持ちもあるし、次に中島(庸介)さんの舞台に呼んでもらった時、今より成長した姿を見せたいと思ってます。

――では、役者としての目標はどういうところに置いていますか?

役者って年齢を重ねるほどに引き出しが増え、哀愁や人間的な面白味、その人が背負ってきた人生が出てくるものだと思うんです。だから色々なことを経験して、それを全てお芝居の表現に繋げていきたいです。

モーニング娘。からのスタートで、最初は可愛い役、アイドルっぽい元気な子、分かりやすく気が強い女の子とかが多かったんですが、「殺人鬼フジコの衝動」(2013年・主演)で殺人鬼を演じてから、ガラッと来る役が変わったんですよね。アイドル的な見られ方がなくなって、役者として役を頂いている感じになったような。本当に幅広い役でオファーを頂くようになりました。

――役者としての幅が生まれたわけですね。

フジコは13歳から始まって、35歳まで。殺人鬼なんかになりたくなかったけど、そうならざるを得なかった女性で、お芝居に、フジコが背負ってきた色んな思いが求められたんです。周りからあんな役もやれるんだねって言われるくらい衝撃的な役ではあったんですが、それを演じることで役者として変われたと思っていて、役を頂けたことに本当に感謝しています。