田中れいな、2年の成長を見せる主演ミュージカル「ふしぎ遊戯」第2幕!過去の自分、思いを語る

2018/10/09 06:00 配信

アイドル インタビュー

モーニング娘。OGの田中れいな主演ミュージカル「ふしぎ遊戯~蒼ノ章~」が開幕に。田中は2年前の前作に引き続き、主人公の夕城美朱を演じる


田中れいな主演ミュージカル「ふしぎ遊戯~蒼ノ章~」が10月13日(土)~21日(日)、東京・全労済ホール / スペース・ゼロにて上演される。

「ふしぎ遊戯」はアニメにもなった渡瀬悠宇による少女漫画で、舞台化も過去複数回行われている人気作。今回は2016年に上演されたミュージカル「ふしぎ遊戯~朱ノ章~」の続編となり、ヒロイン・夕城美朱(ゆうきみあか)を田中れいな、想い人となる鬼宿(たまほめ)を平野良が演じている。

時は現代。夕城美朱と親友の本郷唯は、「四神天地書」という不思議な本の中の異世界に吸い込まれてしまう。異世界の中で美朱は「朱雀の巫女」、唯は対立する「青龍の巫女」に。それぞれの神を召喚し、3つの願いを叶えるべく「七星士」を探す旅の中、美朱と唯は朱雀の七星士・鬼宿を巡り、戦い、亀裂を生んでしまう…。

前作は田中の高く伸びる歌声、平野の力強い歌声が特に印象的だったが、今回は一段とミュージカル色を濃くしているという。

モーニング娘。卒業後、田中にとっては初めての外部舞台となった前作「ふしぎ遊戯」。思い入れも深く、それから2年、舞台出演を増やしている彼女にはどんな変化があるのか。振り返りと共に、今作の見どころなどを聞いた。

上演は10月13日(土)~10月21日(日) 、東京・渋谷の全労済ホール / スペース・ゼロにて


主演の気負いはなく、自然体で


――お話によると、今回は稽古がかなり大変であったとか。

今回はお芝居の稽古以前に、曲が入るシーンでの台詞のタイミング、ダンスの振り付けとか、歌の練習を集中的にする形だったんです。なかなかお芝居の稽古に進めなくて、途中までは「さあ、どうしようかな」っていう感じでした(笑)。

――主演ですし、芝居も歌も多いですよね。焦りませんでしたか?

主演とか座長って言われると「そうか」って思うんですけど、自分ではあまり気にしてなくて。だからいつもと意識が変わるっていうのはないんですが、休憩ポイントがほとんどないくらい出番は多いし、焦りよりやり甲斐の方がすごくあります。

――歌の稽古を集中的にということは、それだけ歌の比重が大きいということですか?

前回だとお芝居と歌の区切りが分かりやすくて、これから歌になるよっていうのが見ていても分かる入り方だったと思うんです。今回は新しい演出家さんということもあって、前回以上にミュージカルになってます。今まで喋ってたところから急に歌、みたいな。「これ、本格的なミュージカルだ」って台本読みながらちょっとびっくりしたくらい、何かあれば歌う、みたいな感じです。

よくあるじゃないですか。ディズニー映画とかでも今まで普通に喋ってたのに、「悲しい」と言いながら歌い始めるみたいな。

――芝居そのものが歌になっているというものですね。

そうです、そういうのです。普通に歌うんじゃなくて、歌のように台詞を出していくシーンがたくさんあって。で、やっぱり後編の方(二幕構成)が寂しいシーン、悲しいシーンが多くて、後ろになるほど感情がすごく揺れていくんです。それでまた、美朱の感情の上下が激し過ぎるんですよ。

アニメだったら悲しいことがあって、そこから元気を取り戻すまでを時間を掛けて見せていくじゃないですか。でも、(今回の)舞台は2時間半の中で全部のお話をまとめないとだから、ゆっくりそのシーンばかりというわけにはいかなくて。

今さっきまで悲しんでたのに、すぐに「そうだよね、頑張らないとね!」って立ち上がっていくから、感情を追い付かせるのがすごく大変です。でも、それを自然に見せるようにするのがお芝居の力だし、そこは本当に難しいです。

ちょうど正午からの取材。「朝食べてますか?」「食べてません(笑)!」。大丈夫でしょうか?


――続編の知らせを受けた時はどういうお気持ちでしたか?

実は続編があることは始めに聞いていて、ずっと楽しみに待ってたんですよ。だから「うわ!」とかじゃなくて、「来た!」みたいな感じでした。

気持ち的には、2年前から変わった自分をどう出していけばいいのかなっていうのは考えましたね。前回からいくつかの舞台を経験して、やっぱり自分でも変わったと思ってたし。

――例えばどんなところがですか?

前回は平野良君に色々教えてもらいながらで、例えば鬼宿の呼び方とか。私の場合歌をやっているからか、(台詞が)音に聞こえるらしいんです。全部同じなんですって、鬼宿の「た」の音が。

――何となく分かります。田中さんのは音の良い台詞という感じです。

だけどそれって「感情で変わるでしょ。その時の気持ちで『た』の音は違うでしょ」って言われて、「なるほど!」ってなったんですよね。他にも勉強になることばかりで、それからの作品では「あの時こう言われたっけ」とかを考えながらやれるようになったなって思います。

それまでの私って、相手が変わっても自分のスタンスは変えなかったんですよね。自分はいつものテンション、「私はこれ!」っていう感じで。でも、普段の会話だって相手によって対応も喋り方も変わるじゃないですか。

昔は「これはお芝居だから」って、そういう風にも思えなかったんですけど、「ふしぎ遊戯」を経験してからは「ちゃんと相手を見て、相手の気持ちを受け取って喋る」、そういう普段の会話と同じ気持ちで(お芝居を)すればいいんだって、考え方が自分のことばかりじゃなくなりました。演劇では当たり前のことだろうけど、前回はそういうことも分からずやってたなって思います。

――前作DVDを見てから来ると、2年前との違い、成長も分かるかもしれない?

そうなると良いなって思うんですけどね(笑)。あと前回の「ふしぎ遊戯」、自分で見ても声が高いなって感じたので、今回はもうちょっと低くというか、抑えたいなって思います。ずっと裏声みたいな感じで「鬼宿!」って叫んでたから、稽古で喉を潰しちゃって。今回は本番まで喉を労わろうと思ってます(笑)。