――この「ふしぎ遊戯」、そもそも田中さんは原作自体お好きということで。
好きです! めっちゃアニメを見てて、翼宿(たすき)が好きなんですよ。鬼宿も好きだし、っていうか、2次元だからみんな格好良くて大好きなんですけど(笑)。
――作品のどういうところに魅力を感じているんですか?
私って、普通の恋愛ものはあまり好きじゃないんですよね。戦いながらもそこに物語がくっついているみたいな、見ていても楽しいし、お話も楽しいしって、そういうのがすごく好きで。「セーラームーン」も好きだったから、「ふしぎ遊戯」だけがものすごく大好きだったっていうわけではなく、舞台をやったことでより好きになったという感じです。
アニメを見直すと自分に起きたことかのように見てしまうというか。思い入れがすごく変わりました。
――2.5次元はキャラ作りも大切ですが、田中さんにとって美朱はそれが必要な役ですか?
「唯の方が合ってるじゃん」って思われてるかもしれないですけど、自分としては全く違うとは思わないです。気持ちの部分は特にそうかなって。真っ直ぐで、弱いんだけど負けたくないっていう気持ち。そういう「負けないぞ!」っていう気持ちの強さは私もすごくあるし。
――常々話されている芯の強さですね。役としてもそこは意識されている?
そうなんですけど、前回はがむしゃらに頑張ってたから自分の思うままをそういう形で出せていたっていうのがあるんですよね。でもこの2年で色々なことを経験して、歳も重ねたから(笑)。素直さが出せなくなったじゃないですけど、私だけでなく、前回からの人はみんなそういうのがある感じです。
この前、「そのままの続編にしてはみんな歳を取ってるな」って、歌の先生に言われたんですよ。鬼宿と2人で歌うシーンなんか、恋愛じゃなくてちょっと悪いことをしてるみたいだって(笑)。
「絶対に結ばれない自分たちだけど、結ばれたいね…」みたいな歌に聞こえちゃうって。そうじゃなくて、「一緒になろうね! 鬼宿!!」っていうフレッシュさが欲しいと言われて。「そんなことを言われてもね」って、良君と相談しました(笑)。
――感情が重くなってるんですかね。
何でしょうね。「無理かもしれないけど…無理かもしれないけど一緒になりたいよね…」って、そんな感じに聞こえるみたいで。本当はそんな歌じゃないんですけど(笑)。
――思うんですけど、原作の美朱は結構ドン臭く、大食いだったりで、行動面は田中さんと逆ではないですか?
おっちょこちょいかよって思うところはいっぱいありますね。自分でやってて「おい!」って思う時もあるし、結界から出たらダメって言われてるのに「出るんかい!?」っていうのとか。そういうことでまた襲われてしまったり。「動かんかったら済むやん」って思うところは色々あるんですけど、助けたいとか、人を思う心が強いからこその行動だろうし、自分も美朱と一緒にそういう成長をしていけたらいいなと思いながら稽古をしています。
――自分の稽古だけでなく、皆さんの稽古も見ている中で、どんなところが見どころだと感じていますか?
個人的に感情が揺さぶられるドラマが好きだからというのと、美朱である私の視点からになってしまうんですが、2時間半の劇の中で本当に色々な感情になれて、暇だなっていうシーンが全くないんです。
今回は「蒼ノ章」ということで唯の気持ちが多く描かれているんですけど、美朱に対して唯も素直じゃないんですよ。美朱は唯が好きだし、唯も本当は美朱のことが好きなのに戦いになってしまって。美朱を想う唯の気持ちはお芝居をしていてすごく感じるし、見ている方にも絶対に伝わると思います。
美朱は美朱で、勉強したくない、親に怒られるのが嫌だとか、今までホントに普通の女の子だったのが、本の世界に入ったことで、人を想う心や信じる気持ちを大きく成長させているんですよね。鬼宿という、愛し合える人を知ったりも。別に成長物語ではないんですけど、前回に比べても美朱の心はすごいペースで成長していくから、そういうところも見どころかなって思います。
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