「FREEZE」”世界一の面白さ”を引き出す壮大な実験 <てれびのスキマ コラム>

2018/10/24 12:00 配信

バラエティー

シンプルなルールが引き出す「世界一の面白さ」


ルールはいたってシンプルだ。

「FREEZE(フリーズ)」の合図があったら「RELEASE(リリース)」と合図があるまで、何があっても動いてはならないというもの。

もちろん、喋ることも、驚くこともダメ。リアクションをとってはダメ。

テレビタレントにとって命ともいえるリアクションを奪われるのだ。

『ドキュメンタル』は松本自身が「もしかしたら一番シンプルで、ホントに一番面白いやつを決めるには適しているんじゃないか」と語るものだった。

最後まで笑わず、相手を笑わせた人が勝ち。

実にシンプルなルールだ。笑わせるためなら小道具などの使用も認められた。これによりありとあらゆるボケが可能になったし、トークやツッコミでも笑いを取ることができる。賞レースなどでは評価のしようがない、その場で起こったことに対するリアクションや、ガヤ的なツッコミも力を発揮する。まさに笑いの総合力が試されるものだった。

実際、『ドキュメンタル』で勝ち抜く芸人は、笑いの猛者たちばかりだ。いや、出場者に選ばれるだけで、その実力が認められた者たちだけだ。

一方で松本には、同番組でこんな持論も語っている。

「世界一面白い人って、きっと世界一面白くない人なんですね。だから僕はがんばっても世界2位にしかならない。お笑いってそういうもんなんですよ」

「面白くない人」≒「何もしない人」に変換し生み出したルールが『FREEZE』なのかもしれない。

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