橋本愛×渡辺大知対談「きっと良い作品になるだろうなという期待がありました」

2018/10/18 07:00 配信

映画 インタビュー

山内マリコの処女小説を「ナミヤ雑貨店の奇蹟」などでおなじみの廣木隆一監督がメガホンを取って映画化撮影=島本絵梨佳


渡辺大知演じる新保くんは?


――新保くんも気になるキャラですよね。

渡辺:どこか陰を持っているというか、結構熱い思いや“ああしたい”とか“こうしたい”っていうものが自分の中にある人なのかなと。そういう意味ではアクティブなタイプ。

ただ、それを表に出すことを諦めているような気がしました。そんな中で、椎名くんは新保くんの中から出てしまう“何か”に気付いた人。

新保くんにとっては、自分の思いを外に出すことを許せたのが椎名くんという存在だったんだろうなと思います。良い悪いは別にして、もしかしたら一番素直な役どころなのかもしれません。

僕はどちらかというと陰を出すことを楽しんできた高校生だったんですけど(笑)、新保くんを通して自分の陰を押し殺すことも人間なんだなと思わせてもらったような気がします。

――「廣木組」の現場はいかがでしたか?

渡辺:長回しが多かったですね。

橋本:車の中のシーンは、本当に大変でした。背景はCGではなくて、本当に車を走らせているんです。途中でセリフを間違えたり、変な間ができちゃったら、またスタート地点に戻って撮り直し。

絶対失敗できないという、舞台のような緊張感を持って臨んでいました。

渡辺:(笑)。長回しって、役者を信頼しているし、カメラマンや照明部のことを信用しているからこそできるんだろうなと。

廣木監督は、一つ何かが良いだけではダメで、みんなで「今しかない」という思いでやるからすごい力を生むんだと信じている方なんだと思います。

――「私」や新保くんたちが、それぞれ別の場所で同じ歌を歌っているシーンは、見ていてグッとくるものがあります。

橋本:あのシーンは、どうつながっているのか全く分からなくて。

渡辺:結構、ギリギリのタイミングで決まったんですよね。

橋本:台本にはなかったんです。歌詞を渡されて「どこかで歌います」って言われて(笑)。あの歌をみんなが知っているということじゃないですか。

ある意味似た者同士の人たちが同じ歌を歌うって、その共有の仕方はすごいなって。そうやって、この映画はつながっているんだなと感じました。

「私」の場合は“ここしかないだろう!”っていう場面だったんですけど、最初は大声で歌ったんです。

渡辺:え~、そうなの?

橋本:変に緊張したし、歌うのが大好きだから超気持ちいいみたいな感じで思いっきりやったら、もう少し抑え目にって言われてしまいました(笑)。

――タイトルに“退屈”というワードが入っていますけど、お二人はどんなことをして退屈をまぎらわせますか?

橋本:私は、カラオケに行くことが多いです。

渡辺:ホントに歌うことが好きなんですね(笑)。

橋本:そうなんです(笑)。利用時間が1時間ぐらいだったら、この人たちの歌。延長したかったらこれって、時間によって大体歌う曲が決まっています。

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