認知症の母を描く「ぼけますから、よろしくお願いします。」が映画化!

2018/10/18 15:57 配信

映画

「ぼけますから、よろしくお願いします。」のトークイベントに信友直子監督(写真左)と中瀬ゆかりが登場(C)フジテレビ

情報番組「Mr.サンデー」(毎週日曜夜10:00-11:15、フジテレビ系)で2016年に2週に渡り放送され、翌年BSフジでも放送されたドキュメンタリー「ぼけますから、よろしくお願いします。」の完全版が映画化。11月3日(土)より東京・ポレポレ東中野ほかで上映される。映画の公開にあたり、信友直子監督と編集者・中瀬ゆかりがトークイベントに登場した。

信友監督の両親が主人公となるこの映画は、アルツハイマー型認知症の診断を受けた80代の母と、それを支える90代の父の老老介護の様子を描く。

映画を見た中瀬は「ここまで撮るんだこの方は、と思いました。まさに修羅の域に達していると思います。これは私の物語だと誰しもが思う、誰もこの物語とは無関係とは言えない話です」と感想を語る。

一方、信友監督は誰しもが避けて通れない“介護”という問題について、認知症の専門医に「介護はプロとシェアしなさい」と金言をもらったといい、「プロの方がうまいことがいっぱいあるんです。入浴介助は研修を受けているプロにやってもらった方が、本人も気持ちいい。そういうプロにもできることはプロに任せて、家族は家族にしかできないことをする。その人を愛してあげて、その人をギュッと抱きしめてあげるっていうことをし続けるのが、本当の介護」と、大変な介護に対する向き合い方を語った。

多くの人が悩みを抱える“介護”だが、信友監督は「介護で悩んでいらっしゃる方っていうのは、どんどんのめり込んでいくと、どこまでも気持ちが落ちてしまう。任せられるところは任せて、ちょっと引きで見て、ちょっと深呼吸すればだいぶ変わるかも。私にとってはカメラを持つということが、深呼吸だったんです」とアドバイス。

主役である両親の現在の様子を聞かれると、「父は映画のことをすごく楽しみにしています。近所にチラシを配って回って、『今度娘が映画やりますんで! わしが主役なんじゃ!』とうれしそうです」と喜びの表情を見せた。

一方で、「母は9月30日深夜に脳梗塞で倒れ入院中です。ここから先、リハビリをしていって、どうなるかわからないので、まだ信友家の物語は続きます。二人で暮らしたいみたいなので、やり方はないか考えています」と告白した。

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