夏帆、“許されぬ恋”に落ちる女性を体現!「イメージを膨らませながら撮影しました」

2018/10/30 07:05 配信

映画 インタビュー

演じる絹子については「天真らんまんで真っすぐな性格」と分析


夏帆「現場はすごくやりやすかった」


――役へのアプローチで苦労した点は?

そんなになかったと思います。私自身は結婚したことがないので、許されない恋に落ちた絹子の思いや置かれた立場などを想像しながら演じました。

――三島監督からアドバイスされたことは?

キーワードになるようなことを言ってくださるので、私もすごく考えました。とにかく、お芝居がしやすい空気感だったり、環境を徹底して作ってくださるんです。それが、すごくやりやすかったです。

――ちなみに、どんなキーワードを?

具体的に何というわけではなく、多くを語らないんですけど、そのシーンに関する人とのつながりなどを大事に演出される方。絹子と嘉雄の関係性も丁寧に時間をかけて撮ってくださいました。

思いが強くて揺るがないものを持っている方だと思います。その一方で、繊細な一面もあったりして。三島監督の雰囲気が、そのまま映画に反映されています。

――東出さんとの共演は、2017年に公開された「予兆 散歩する侵略者 劇場版」以来、2度目ですね。

はい。前回ご一緒した時、東出さんは宇宙人の役で、私が演じた役と敵対する間柄だったんです。

今回は正反対で、ものすごく距離が近い関係。いろいろお話をしていて、佇まいも含めて文学の香りがする方だなと。お芝居を通して東出さんの違う一面を見ることができました。

――普段、本を読んで影響を受けることはありますか?

割と影響を受けやすいタイプかもしれません。私は思っていることを言葉にするのが苦手なんですけど、本を読んでいてすんなり腑に落ちる瞬間というか「あ、そう、その言葉だ!」って、いろいろ発見できるところが楽しいですね。

――古書の魅力はどんなところにあると思いますか?

今回のテーマでもあるんですけど、古書の中にはドラマがあるんです。前の持ち主は何を思ってこの本を読んで、どういう経緯で手に入れて、後に手放すことになったのか。何かが書かれていることもあって面白い。

その本が巡りめぐって、私の元に届くってロマンがありますよね。映画を通して、古書の魅力をあらためて教えてもらった気がします。

――確かに、いろんな書き込みに想像力をかき立てられますね。

そうなんです。その書き込みのことを考えるのがすごく楽しい。劇中では、絹子の孫にあたる大輔が持ち込んだ古書から、祖母の恋を読み解いていく物語が展開される。本を通して誰かの思いが伝わるなんて素敵ですよね。

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