NHK総合で9月4日より放送される土曜時代劇「桂ちづる診察日録」の完成試写会が8月24日に行われ、出演する市川由衣、高嶋政伸、キムラ緑子、遠藤憲一、三宅裕司が都内で会見を行った。
同作は江戸時代後半の神田を舞台に、若き新人女医・桂千鶴(市川)の奮闘の日々を描く、長崎で本格的な医術を学んだ千鶴の愛と涙の診療日誌。牢屋敷の女囚を担当する牢医師を拝命し、罪を犯した女性たちの治療から、その半生にも関わっていく。
今回初主演となる市川は「原作の『藍染袴お匙帖(あいぞめばかまおさじちょう)』を読んだ時に感じたすごくシビアな内容を伝えながらも、物語の全体にあふれている優しい雰囲気みたいなものが映像にも出ていて、すごく感動しました。1、2話は、わたしが演じる桂千鶴が初めて大きな挫折というか、決断を前にして、どのように立ち上がっていくのか、どういう道を進んでいくのかというところが描かれています。あと第2話では、一生懸命半年ほど道場に通い練習した殺陣(たて)のシーンが出てくるので、そこに注目して見ていただきたいなと思います」と見どころを語った。また、殺陣については「難しかったところは、わたしみたいな体の小さい人が相手を投げるのは、力技じゃなくて関節技を使うので、簡単なように見えてとても難しくて、そこを取得するのに本当に苦労しました」とコメントした。
千鶴の亡き父・桂東湖を演じる遠藤は「自分は20代のころからずっと時代劇をやってきて、大半はギラついてる役で、殺すか殺されるか、9割方殺されてきた方です。今回は千鶴のお父さんということで、娘を愛していて、天才的な医者で仕事を一途にこなしている役だと聞いて台本をいただきました。で、あけてみたらもう既に死んでいました(笑)。今回はすべて回想です。ずっと過去の話なんで、連ドラですべて回想で出演するのは初めてです。台本もらっても現在の千鶴がどうしているかなど知ってはいけないので、さりげなく読んだり…。過去を演じるという部分はすこし難しいところなので、読んで読まないという、この辺の度合いが今回新しいチャレンジとなりました」と役どころに対し、複雑な心境を語った。
東湖の古い友人で、千鶴の父親代わりの医者・酔楽を演じる三宅は「千鶴が何をしようがすべてを受け止めるという遠藤さんが早いうちに死んじゃったおかげで、過去のことの説明はすべてわたしが務めております。しかし、そのセリフの量の多いこと(笑)。人間の限界に挑戦をしまして、覚えたことをどれぐらい吐き出せるのか、吐き出すだけじゃなくて、そこでなにかを演じなければいかないわけですから。最後のシーンでは思い出すことと表現することを脳が拒否しまして、もう(千鶴の兄の)陽太郎(高嶋)という人物の名前すら出てこない状態になってしまいました」と愚痴交じりに苦労を明かした。また「全編を通して言えるのは、時代劇スペシャルのロケは冬にやってほしいなと思いました。とにかくことしは暑くて、ぼくの場合は立ち回りがなかったからまだいいんですけど、カツラの中に汗がたまるんですよね。前にたらすとメークがくずれるので、後ろに全部たらすという技術を習得しました」とことしの猛暑を象徴するエピソードで会場を沸かせていた。
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