現在「熱海の捜査官」が放送されているテレビ朝日系の「金曜ナイトドラマ」枠で、10月から東野圭吾氏の同名小説が原作の「秘密」がスタートすることが発表された。主演は志田未来と佐々木蔵之介が務める。
原作は'98年に発表され、第120回直木三十五賞にノミネートされ、第52回日本推理作家協会賞(長編部門)などを受賞したベストセラー小説。今や飛ぶ鳥を落とす勢いの東野氏がブレークするきっかけとなった出世作で、'99年には、映画「おくりびと」('08年)を手掛けた滝田洋二郎監督によって広末涼子、小林薫主演で映画化されている。
物語は、事故で亡くなった母・直子(石田ひかり)の魂が入り込んでしまった高校1年生の娘・藻奈美(志田)と父・平介(佐々木)が、家族として暮らす中で、親子愛と夫婦愛の間で揺れ動く姿を描く。
本作の主演が決まった志田は、「東野さんの小説は大好きで、中でも『秘密』は特別好きな作品でした。何と言っても最後のシーンが好きなんです。ちょうど直子の年齢はわたしの両親に近いので、両親を観察しながらしゃべり方などを考えていこうと思います」と原作ファンであったことを告白。共演の佐々木については「まっすぐ目を見られると思わずそらしてしまいそうになるくらい“強い目”をお持ちの方。その強さに負けないように頑張りたいです」と印象を語った。
また、佐々木は「平介という役はどう演じたらいいのか先が見えないようなところがあります。役柄そのもの以外に、客観的な見え方も考えながら演じなければいけないし。そういう意味ではやりがいがあります」と難役に挑む心構えを。「現実ではなかなか考えられない状況ですが、その中で視聴者の方に『分かる』と思っていただければ勝ち。大前提は“ファンタジー”ですが、それを乗り越えて“真実”が見える作品にしたいです」と意欲を見せた。
東野氏はドラマ化に当たり、「『秘密』がなければ、おそらく今のわたしはなかったでしょう。映画化から約10年がたち、あらためて本作を映像化したいと言っていただけたことを光栄に思います」と喜びのコメントを寄せた。
中川慎子プロデューサーは本作の見どころについて、「『心は38歳、体は16歳』という難しい設定を可能にしてくれる唯一無二の女優“志田未来”が2010年現代に存在していてくれたこと、そして、性も含めた夫婦の問題を取り上げていく本作で、そのクリーンさと同様にさまざまな煩悩に直面する男性の愛すべき情けなさを表現してくださる方は、佐々木さん以外考えられませんでした。本作は運命にほんろうされた者たちの“悲劇”であり“喜劇”であり、“究極のラブストーリー”であり“心理ミステリー”でもあります。見たことのない不思議な世界観をぜひお楽しみください」と熱く述べた。
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