雲田はるこの同名漫画を実写化したドラマ「昭和元禄落語心中」(毎週金曜夜10:00-10:45、NHK総合)。
昭和の落語界を舞台に、芸の絆に結ばれた人々の友情や、男女の情愛、そして大切な人の死を巡る因縁が描かれる。
物語は、稀代の落語家・八代目有楽亭八雲(岡田将生)が、元ヤクザの与太郎(竜星涼)と出会うところから始まる。与太郎は八雲が初めて取った弟子として周囲を驚かせるが、その天性の愛嬌と落語への情熱でさまざまな人に愛され、徐々に実力をつけていく。
そんな与太郎を演じる竜星に、インタビューを実施。役と物語の見どころや、落語の魅力について聞いた。
――竜星さんは与太郎のどんなところに魅力を感じていますか?
僕自身、与太郎っていう人間がすごく好きなんです。自分で「おいらはばかだけど」って言える愚直さというか、自分の弱みも人にさらけ出せてしまうような真っすぐな男っていうのは、どこか憎めないですよね。
漫画の与太郎とはまた違う部分があるかもしれないですけど、そういうかわいらしさ、人間味をプラスして出せたらなと思いながら演じさせてもらいました。
――与太郎の好きなシーンを教えてください。
それこそ師匠に謝ったりする場面とか、陽気にお酒飲みながら師匠の前でちょっと一席やっちゃうみたいなシーンですかね。普通師匠の前でそんなことしないだろ、みたいな(笑)。僕もすごく楽しかったですし、好きだなあと思いながら演じました。
――落語は全くの素人だった与太郎が、物語の後半では真打ちにまで成長します。その部分の演じ分けは意識されましたか?
最初は僕も与太郎と同じで落語に触れることも初めてでした。この作品は与太郎の成長物語だと思っているので、彼と同じように、落語に触れてどんどん成長していくさまを見せていけたらいいのかなと思い、何かを分けるってことはあまり意識しませんでした。
今の自分のリアルなものを見せつつ、あとは教えて下さる師匠方たちと少しずつ相談しながらやっていきました。
――落語は実際に、歴史ある寄席の中で披露されていますね。
学校なんかもそうですけど、今なお、実際にお客さん入れてやってる“生きてる”場所で演じるっていうのは、とても素晴らしい経験です。リアルな雰囲気、感情というものを自然と出させてもらえる気がします。
(東京・)浅草の演芸ホールだったり、ああいうところを実際にお借りしてできていることは、この作品の良さを一つ格上げさせてもらってる部分だと思います。
――高座に上がる機会は、そうあることではないですよね。
ないですよ! それに、落語監修の柳家喬太郎師匠のお話をこんな近い距離で聞かせてもらうことも貴重ですし、ぜいたくだなあと思えることを体験させてもらっています。
――落語は何本ぐらい練習されましたか?
ちょこっとしたものも含めたら、八つぐらいですかね。「出来心」だったり、一話でやった「たらちね」「寿限無」、少し「死神」なども触れましたし、「錦の袈裟」「大工調べ」のたんかだったり、あとは「芝浜」「野ざらし」ですか。
――その中でも特に思い入れのある噺というと。
やっぱり「出来心」です。最初に高座に上がってやらせてもらった噺だし、一番練習させてもらったものだし、はたまた落語家としてこれからやっていく与太郎の一つ核になる噺なので、そこはひときわ思いがあります。
――やはり落語の難しさがあったと思いますが。
落語自体の難しさもありましたが、もう一つ難しいなと思ったのは、練習してある程度体に入ってきちゃってるものを、下手くそに見せなきゃいけない時。
でも、そうしていろいろなやり方をある種最初に勉強できたので、表現の仕方として、役者としてもとても勉強になったと思います。
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