長塚圭史が演出を手掛ける舞台「ハーパー・リーガン」の公開舞台げいこが、東京・パルコ劇場で行われ、長塚と共に小林聡美が取材に応じた。
イギリス人作家サイモン・スティーヴンスによる同作は、イギリスを舞台にした現代劇。長塚が、平成20年度文化庁新進芸術家海外研修制度でのロンドン留学中に知り、演出を熱望したという意欲作で、主人公のハーパー・リーガンを、約5年ぶりの舞台出演となる小林聡美が演じる。ほか、山崎一、美波、大河内浩、福田転球、間宮祥太朗、木野花らが出演し、「家族」をテーマに物語を描く。父親危篤の知らせを受けたハーパー(小林)は、職場の上司に休暇を願い出たものの、にべもなく断られる。それをきっかけに、彼女は夫と娘に黙って家を飛び出してしまう。行く先々で彼女が出会うものとは…。
演出を手掛けた長塚は「現代性がすごく高くて、世界に通じる世界観を持っている話です。なおかつ、1人の女性の家族の話なので非常に見やすいですし。女性はもちろん、いろいろな世代の方にいろいろな視点から見ていただきたい」とPR。久々に舞台出演した小林については、「ハーパーは、ずーっと出ている役なので、根性もいるし、集中力のいる役。でもそこを独特の雰囲気で、重くなったりせずにニコニコと…バッと、気持ちを上げてやってくれる。(小林)聡美さんが中心に立ってくれていたので、すごく救いでした」と信頼を寄せている様子。「皆さんが抱いている小林聡美のイメージとは、またちょっと違う魅力がすごく出ていると思うので劇場にぜひいらしていただきたいと思います」とアピールした。
一方、小林は「探れば探るほど、現代的な問題をはらんでいて奥深い、いかようにも読むことができる戯曲で、すごく面白かったです」と脚本を絶賛。ハーパーは徐々に問題が明らかになっていくが、「親の問題も現実的になってきたり、(40代のハーパーは)人生の中盤でその人本来の何かが試されるタイミングだと思うし、共感できます」と話した。そして「長塚さんの雰囲気は、さわやかな青年…って年じゃないけど(笑)。そんな風な印象を持っていました。でも、作品を見てみると、すごくエグかったりして、ミステリアスな部分もあったんですけど。今回のけいこで、“あぁ、エグい方の人だったんだなって(笑)”って思いました」と笑いを交えながらも、「5年ぶりの舞台が長塚さんの演出でよかったです」と告白。「劇場に確かめにきてください、わたしにどんな魅力があるのか(笑)」と胸を張った。
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