――早紀と一馬は、夫婦としてお互いにどう思っていると感じていますか?
名取:それこそ“空気”かな。相手のペースをそれとなく気遣うのが当たり前になっている。夫婦ってかっこ悪いところを見ても好きでいられることが大事だと思うのですが、きっと早紀と一馬はお互いイケていない姿を見ても動じない。そんな夫婦間の空気が視聴者の方にも届けばいいなと思っています。
宅麻:早紀が危険なことをすると一馬は怒鳴ったりするけど、あれはあくまでも愛情表現。一馬は愛情を表すのが下手なので、いつも心配して駆けつけるシーンで彼なりの“愛”を見せていたのですが、今回はでは2人で協力して事件に立ち向かうこともあり、助けるシーンがなくて。今回、愛情表現が足りてないかもね(笑)。でもやっぱり、一馬は心底、早紀のことがかわいいんだろうなと思う。
――アドリブでのやり取りも多いということですが。
名取:ラストシーンは、いつも監督から「1分40秒間、よろしくね」と言われて、2人のアドリブでやっていますね。
宅麻:僕らの間では「こんなことを言うから、こうリアクションしましょう」みたいなものはなく、自然に出てくるものを大事にしています。早紀が後ろからパッと僕のお腹に手をやって、「あなた太ったわね」って言うから、僕も手を後ろにやって「お前もな!」ってアドリブで言い合ったことがあったね(笑)。
名取:あったね~! 監督も笑ってたよね。でもなかなか言えないことよね、人のお腹を触って「太った」なんて(笑)。
宅麻:確かに美人女優のお腹を触って言うことじゃなかったね(笑)。
――26年の間にお互いに変わったなと思うところはありますか?
宅麻:名取さんは昔から生意気だったし(笑)、最初からお互い素直に自分を出していたから、変わっていないと思っています。俳優としても人間としても、ずっと信頼していますしね。
名取:変わらないところの方が多いけれど、宅ちゃんも冒険的な作品に出たりして、振り幅が大きくなってきて、すごくいい貫禄が出てきたなと思う。前作から髪もロマンスグレーにして、年相応の魅力がそのまま出せるようになってきた。ほんとかっこよく仕上がってきたよね!
――みどころをお聞かせください。
名取:早紀の法医学と一馬の捜査という2人のコラボで事件を解決していきますが、最新作は特に夫婦のあり方や夫婦間の秘密について問題を投げ掛けていきます。視聴者の皆さんにとっても「うちの家庭も同じだわ」と思うようなエピソードが散りばめられていると思いますし、見終わった後パートナーにちょっぴり優しくなれたり、明日からまた頑張ろうと思っていただけたりしたらうれしいですね。
宅麻:今回も事件はかなり複雑な謎が絡み合うのですが、見てくださった方々が最後は「夫婦っていいな」となんとなくほっこりしていただけたらいいですね。
――最新作ではなんと2人に離婚の危機が訪れるとのことなのですが。
名取:26年の歴史の中で、離婚届が登場するのは初めてです。七海おばさま(由紀さおり)が、2人の危機をすぐあおるんですよねぇ(笑)。
宅麻:あの衝撃シーンは内心、演じるのを楽しみにしていたんですよ。一体どんなシーンに仕上がったのか、そして早紀と一馬がどう離婚の危機を乗り越えるのか、ぜひ楽しみにご覧いただきたいですね!
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