――独特な世界観で描かれた作品ですね。
展開などが他の映画とは違ってパッパッパっと変わっていくのではなく、虹郎君がストーリーの中で全部連れていっている感じですよね。移り変わり方が面白いなって思いました。
――作品に参加してみていかがでしたか?
最初に台本を見た時は、本当に“セフレ”的な立ち位置だと思っていたんです。演じている時も現場全部を見てストーリーを踏まえていたわけではないので、完成するまでは本当に“そういう関係性で出てくるだけの人”という印象でした。
監督からは「そうじゃないよ、一番キーマンになる大切な部分だから」と言われていたんですけど、台本を読むだけではなかなか分からなかったんです。でも、私とヨシカワ(広瀬)を介して彼の心情が見えてくるというのを、完成した作品を見て理解したので、そこでハッとしましたね。「なるほど!」って。
――演じる上で、武監督から言われたことはありましたか?
なかったです。台本は見ますけど、私は彼(トオル)の全てを知っているわけではない。本当に出会ってそういう関係を持って、最後は彼がおかしくなって、ということが、その場で起こって、それに対しての(トースト女の)反応だったので、あまり本を読み込む感じにはしたくない、という感じで臨みました。
――原作の中村氏をはじめ、監督やプロデューサーにも好評だったとお聞きしました。「存在感があった」と。
そうらしいですね。私も聞いてビックリしました。
脚本を読んだばかりの頃は、本当にトオルと関係を持っただけの人っていう立ち位置だと思っていて、出てくるシーンもそれほどない中で、しかも全部ヌーディーだったから、そういう意見を聞いた直後は「そんなに評価される演技のシーンってあったかな?」って、正直思っていました。
ただ、出ているシーンが少ない分、どこかで「トースト女」はトオルの心情を引き立てなくちゃいけない。そこを見せる、変えていく部分をちゃんと演じなきゃいけないなっていうのはありました。
それに、脱ぐと言っても下品な感じには見られたくないなって思っていたし、(評価していただいたのは)それが成功しているのかなって。そうやって言ってくださるのはすごくありがたいことですけど、最初は本当に驚きました。
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