――実際、1年ぶりにさくらを演じられて、いかがですか。
さくらという役と一緒に苦しんで進んでいるところがあります。でも救いなのは、この役は、自問自答を繰り返して、自分の失敗に頭を打ちながら生きているんです。
そこが、私が今この役に挑戦していて、かぶるところでもあります。
しかも、その苦しみを隠すことをしない、あるがままの役なので、だからこそ、子供たちと寄り添えるのかなって思います。
――前作でさくらを演じられてから、この1年で真矢さん自身に何か変化はありましたか。
若い子たちと会うと「やってあげる!」とか「おいで、おいで」とか、陣頭指揮を執る癖がついちゃって…あれってちょっとうざいのかな(笑)。
それから、「人生、こんなもんだよ」っていう言い方はしたくないなって思うようになりました。
世の中には、他の人には想像もつかないような道を歩んでいる人がたくさんいる。それは決して年齢を重ねたからではなく、この物語に出てくる子供たちのように、10代でもこんな深い人生を歩んでいる子たちがいるんだっていうのが分かったから。
そういった意味で、生きてきた年数で人を評価してはいけないんだなって強く思いました。
――さくらが心を閉ざした子供たちと接し続けられる理由は何だと思われますか。
さくらの強いところって、鈍感力もあると思うんです。本気で怒っている子供たちに対しても、平気でどんどんしゃべっていきますから(笑)。
でも一方では、すごく臆病で、子供を失ったトラウマも抱えていて。だから、(対人関係において)引くところと出るところのバランスがすごく取れていて、それがいい方向に向かっているからだろうなって思っています。
――では、さくらが子供たちへ料理を振る舞い続ける理由は?
1分1秒を必死に生きている子供たちに対して、自分ができることって何だろうって考えたときに、まずは寄り添って、会話はなくてもいいから温かいものを食べさせて、“生きる”というエネルギーを注いであげたいって思っているんじゃないでしょうか。
不器用かもしれないけれど、「求めてくれたら、隣にいるからね」ということだけは伝えたかったんじゃないかなって。どんなに不器用でも、最終的に人を動かすのはやっぱり“言葉”や“思い”だと思うので。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)