又吉直樹が“分からない”に挑む! 「分からんことに触れることを、敢えて面白がってもらえたら」(後編)

2018/11/28 17:00 配信

芸能一般 インタビュー

又吉直樹が“記憶”の謎に迫る!(C)NHK

又吉直樹が日常に潜む疑問をひもとく「又吉直樹のヘウレーカ!」(毎週水曜夜10:00-10:45、NHK Eテレ)。これまで、たくさんの専門家と共に数々の疑問と向き合ってきた又吉に直撃インタビューを敢行。

後編ではまず、小説家としても活躍する又吉に、こんな質問をぶつけてみた――。

「『嫌いやけど近くにはいたい』。そういう状態に興味があるんです」


――又吉さんが番組のテーマを理解していく中で、それが小説などの創作活動にインスピレーションを与えることはあるのでしょうか?

小説にしても、コントのネタとかにしても、僕の場合は、日々の生活の中から着想を得ることが多いんです。そういう意味では、「ヘウレーカ!」に出演された先生の話を聞くうちに、それが自分が普段考えていることとつながって、確信が持てたりとか、裏打ちされたりとか、そういうことはありますね。実際、先生の話を聞いて、「だとしたら、こういう設定でこういう展開になったら、コントになるな」っていうことは何回か考えました。

――又吉さんの小説も、読んでいてとても腑に落ちるんですが、読んだことのない人に薦めたいときに、どんな言葉で面白さを伝えればいいんだろう、と思うことがよくあります。もしかすると、「ヘウレーカ!」と通じるものがあるのかなと思うのですが…。

そうかもしれないですね。僕は、矛盾な状態とか、どっちかに定まっていない状況を、そのまま提示するのが好きなので。イメージとしては、腹筋運動で、背中が床についているときと完全に前屈みになっているときの、その間で止まって保っている状態が、一番筋肉が鍛えられてる。あのイメージなんですけれども。でも、それを「どっちやねん!」って思う人も多いんでしょうね。上げているのか下げているのか、白なのか黒なのか、好きなのか、嫌いなのか。

例えば、誰かに対して、好きな部分と嫌いな部分があるっていうことは普通のことやと思うんですけど、「この人は嫌いやけど近くにはいたい」っていう感情もあるじゃないですか。人間としては最低やし、尊敬できる部分は一切ないし、こいつ性格悪いなって思うけど、何か好き、という。僕は、そういう状態に興味があるんです。

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