――10月7日のファン・カルロス・パヤノとの初防衛戦、鮮やかな70秒KO勝ちでした。自分でも理想的だったと思いますか?
一発で終わらせたので理想的ですね。自分では長丁場になって、もっともつれるかと思っていたので1ラウンドKOのイメージはなかったんです。
実際に戦ってみてサウスポーのパヤノは、半身で懐が意外に深くスピードもありました。踏み込みは早かったけれど思ったほど出てこなかったので最初の10秒、20秒は「どうやって崩そうかな」と思っていました。
――勝負が決するまで70秒でしたが、濃い時間だったわけですね。
濃密な時間でしたね。最後の右ストレートの感触はズーンという感じで、バッチリでした。その前の左は踏み込んで打ったもので、それが良かったと思います。
――あの雰囲気の中、もっと戦っていたかったという思いもありますか?
それはないです。周りのファンはもっと長く見たかったかもしれないけれど、自分も身内も1秒でも早く終わった方がいいんですよ。
――試合は何度も見直しましたか。
ダイジェストも含めれば50回ぐらいは見たと思います。あの舞台と同じ状況、同じ条件で、ああいう勝ち方は2度とできないんじゃないかと思います。
――パヤノ戦の2週間後、アメリカで次戦の相手、IBF王者のエマヌエル・ロドリゲスの試合を偵察していますが、どんな印象を持ちましたか?
(ロドリゲスは)すべての面でまとまった選手という印象です。後半に失速しましたが、前半に見せた一つひとつの技術はさすがチャンピオンというものでしたね。良い面、そうでない面、両方見ることができました。
――攻略の糸口は見えましたね。
なんとなく見えたかなという感じです。誰が相手であろうと僕が勝負のカギにしているのは距離感で、自分のパンチを当てる距離にいかに入るかということなんです。
ロドリゲスとはかみ合うと思うけれど、お互いにパンチが当たる距離になると思うので、集中力を欠いた方がやられるという勝負になると思います。
――プロデビューから6年がたち、17戦全勝(15KO)、3階級制覇という実績を残しています。予想どおりの歩みですか?
自分で思い描いていた予想だと、まだ世界チャンピオンになっていないんですよ。17 戦じゃないですか、チャンピオンになる前にそのぐらいのキャリアを積みたいと思っていたので。早いけれど、頑張ったとは思うし、いいところに来ていると思います。
――この先の目標も教えてください。
まずは出場中のトーナメント(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)で優勝して、そのうちにスーパー・バンタム級に上げて、とそこまでが考えられる範囲ですね。
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