――ミデンは前半と後半でかなり印象が変わりますが、プリキュアを応援している子供たちにとっては、憎らしい存在ですよね?
宮野:本当にそう思います(笑)。完成したものを見たら、思った以上に怖くて。
もちろん、自分もプリキュアにとって脅威になるように演じていたんですけど、子供たちにどう映るのかちょっと心配(笑)。
でも、ミデンというキャラクターがどういう存在なのか。最後まで見ると、なぜあんなことをしていたのかが分かってくるので、僕自身はミデンの想いを爆発させることが大切だなと意識しながらアフレコに臨んでいました。
――ミデンが抱えている想いなどが分かるクライマックスは、胸にグッと迫るものがありますよね。
宮野:子供たちが見た時に、最初はプリキュアがかわいそう、頑張れ!ってなると思うんですけど、物語の終盤ではミデンもかわいそうだな、物語の結末がこれで良かったんだよねって感じてくれたらうれしい。
だから、そう思ってもらうためにも本気でやることが必要だなと思いました。
山本:劇中で“ミデンの世界”が出てくるんですけど、CGで表現されたキラキラした感じがすごくかわいいんです。あの宝石のキラキラ感は、小さい女の子たちの憧れ。きっと好きになると思います。
――プリキュアの想い出や記憶を奪ったミデンが、過去のプリキュアの“名ゼリフ”を言うシーンにも注目!
宮野:それぞれのニュアンスは寄せながらも、僕が言っても女の子の声にはならないので(笑)。記憶が自分の中に増えていって、気分が満たされているミデンの気持ちになって楽しみながら演じました。
やっぱり、僕も「ふたりはプリキュア」を見ていましたから。「ぶっちゃけありえな~い!」って言えたことは宝物になりました。
山本:アフレコの収録期間中に、まだ見ていなかったプリキュアのシリーズを見たので、完成した作品を拝見した時に、ミデンはあのセリフを言っているんだって分かってすごく楽しかったです。
宮野:15周年を迎えた歴史のある作品だけに、いろんなセリフが飛び出しますよ。
――ちなみに、15年前は何をやっていましたか?
宮野:15年前っていうと、山本さんは中学生ぐらい?
山本:小学校6年生から中学校1年生になるころですね。まだ芸能界に入っていなくて、中高一貫の女子校に通っている普通の学生でした。みんなでプリキュアの歌を歌っていました(笑)。あのオープニングは印象に残っています。
宮野:あれは、インパクトあったよね。
山本:アニメを見ていない子でも歌えました。その当時は、まさか自分がプリキュアに出るなんて思ってもみなかったので、あの頃の自分に教えてあげたいです。
宮野:プリキュアに出るよって。
山本:ちゃんと、見といてって(笑)。
宮野:(笑)。僕は声優や舞台など、いろんな仕事をやりながらも、この先どうなるんだろうって悩んでいた時期でした。
そんな中で、作品から力をもらって勇気づけられることが多かったです。アニメも良く見ていて「プリキュア」シリーズは衝撃的でしたね。今まで見たことがない女の子のアニメだなと思いました。
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