「雨の中、こうやって準備していただいてすみません。一生に一度できるかできないかという貴重な役をいただいて、本当に楽しんでやらせてもらいました。ケンティーを始め、人柄のいい人たちの集まりだと日々感じていました。クジクジグジグジ言っている人もいないし、不満を言っている人もいないし、心の隅では何を思っていたか分かりませんが(笑)、現場を一生懸命やっている姿に感動しました。貴重な3カ月でした。ありがとうございました!」
遠藤は、ちゃめっ気を交えつつ、目を真っ赤にしながらスタッフ&キャストを感謝の言葉でねぎらった。そしてもう一度ハグした中島に「終わるの待ってるからね~!」と両手をブンブン振って、一旦現場を離れた。
そして、いよいよラストの撮影。煙鴉が残したコースターの文字に思いをめぐらせ、フッと表情が変わる斑目の場面が用意されていた。雨脚は強くなり、気温もますます下がる。さすがの中島も体を揺らしたり、簡易ヒーターに頬をギリギリまで近づけ、暖を取る。多くの出演者から絶賛された現場での気持ちの良い振る舞いはそのままに、スタッフと談笑しながら準備を待っていた。
時折、雨の中一生懸命セッティングするスタッフを見ていたり、橋の中央で川の遠くの方に目をやり、少し寂しそうな表情も見せる中島。終わりはもうすぐそこまで来ている。
撮影が始まると、リハーサル後に監督と「今のシーンは目線をあげない方が良かったですか?」と、相談する姿も。ほんの少しの演技にも妥協しなかったのも『いつも通り』だ。監督から出た指示に「はい、OKです! ヘヘッ」とはにかむ表情に、寒さも吹き飛びそうだ。
ラストカットを撮り終えると、中島は今度は相棒の撮影終了を待っていた遠藤から青い花束を渡された。中島のあいさつの第一声は「明日も撮影ありますよね?」。現場を離れがたい中島の気持ちも混じったジョークに温かい笑いが起こる。
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