窪田正孝「やっぱり僕は“仕事人間”」6年ぶりの舞台出演への覚悟

2018/12/14 07:30 配信

芸能一般 インタビュー

劇作家・唐十郎が描く、甘美で切ない幻想恋愛劇『唐版 風の又三郎』。主人公の織部を演じるのは、6年ぶりにステージに立つ窪田正孝

「唐さんの台本は想像がつかないところが面白い」と話す窪田正孝撮影=コザイリサ


6年という時間は「30歳になり、いろんなことに挑戦したいという気持ちが強くなり、出演タイミング的にも合って、今回出演させていただくことになりました」という窪田。「演劇には映画やドラマにないものがあるので、飛び込んで今までとは違うものを吸収できたら。30歳を節目に、今後は映画とドラマと舞台の3本柱でやっていけるようになればいいなと思います」と意気込む彼に話を聞いた。

「30歳を節目に、今後は映画とドラマと舞台の3本柱でやっていけるようになればいいなと思います」撮影=コザイリサ


――6年前に出演した舞台「唐版 滝の白糸」も唐十郎さんの戯曲でしたが、唐作品の魅力は?

唐さんの台本は想像がつかないところが面白いです。そして分かりやすくないところが唐さんの作品ならでは(笑)。これが本当に難しい。今回は僕演じる織部が柚希礼音さん演じるエリカにひかれていく部分が描かれるのですが、それが単なる恋愛ではなく深層心理でのつながりに近い感覚で…。その独特な関係性などをきちんと表現していきたいです。

そのためにも今はまだ稽古に入る前なので台本をしっかりと読み込んでいます。僕は映像でもいろんなことに巻き込まれてしまう役を演じることが多いのですが、今回の織部も同じ。いつの間にか引きずり込まれ、血まみれになりながらエリカとはいつくばりながら生きていく…。その目の前で起きていることが何なのか分からない不思議な世界を味わってもらいたいです。

そして唐さんの作品は観た人の感覚、それは理性ではなくもっと本質的な部分だったりするのですが、そういうものを変える力があると思います。この作品を観て、何か分からないけれど気持ちが揺り動かされるような体験をしてもらいたいです。